木の温もりと、音楽と
私の心の拠り所、
兵庫県立芸術文化センター。
硬質でスタイリッシュな外観と、温かみのあるウッディな音楽ホール内部とのギャップが新鮮だ。
大・中・小と3つの音楽ホールが入っているが、
一番のお気に入りは小ホール。
舞台を360℃ぐるりと取り囲むように客席が配されたすり鉢状の小ぶりなホールで、演奏者との距離も近く、アットホームな雰囲気が心地良い。
(収容人数は400あまり)
壁も床も舞台も、全てが深みのある飴色の木材で覆われていて、おごそかな重厚感が漂っている。
先日、チェリストの宮田大さんがこのホールで演奏された時、「この木の感じ、いいですよね。ホール全体が楽器みたい」とおっしゃっていた。
あ、なるほど。
確かに。
まるで巨大な楽器のお腹の中に入り込んで、
演奏するひとも聴くひとも
みんなで音の世界に浸りきっているような、
そんな穏やかな時間を
木が演出してくれている。
そういえば、
いつも楽しみに拝読している
ある音楽雑誌編集者さんの記事に、
「ついに移住先の北海道で、
カフェ&音楽ホールを完成させた!」と書いてあった。(スゴい…スゴい行動力!)
さっそく、
開設されたばかりのホームページを訪れる。
音楽ホール内部の写真を見た私は、
再び「おぉ、やはり…!」と、
ため息をもらさずにはいられなかった。
壁一面に施された、淡く柔らかな色合いの木のルーバーが、本当に素敵なのだ。
オーディエンスはもちろんのこと、演奏する側の心を温かくほぐし最大限のパフォーマンスができるようなしつらいになっている。
イメージキャラクターのニャンコも愛くるしい。
これまで数多くの音楽家と接してこられた方ならではの、演奏者・オーディエンス双方への心遣いがさりげなく感じられる。
演奏者に優しいホールは素晴らしいパフォーマンスを引き出し、みんなを幸せにする。
日本国内のみならず、海を越えた世界のあちらこちらからアーティストが集い、みんなに愛される文化の発信地になるだろう。