【エッセイ】14才男子の恋
~皆様、生まれて初めての愛の告白は覚えていますか?~
好きな人ができて、その人に
想いを伝えるというのは心臓がバクバクですよね。
愛の告白をするというのはとても勇気がいる行為です。
想いが大きければ大きいほど
言葉にするのが難しいですよね。
そんな愛の告白にまつわるエピソードがありますので、どうか皆様お聞きいただけないでしょうか?
私が中学生の頃です。
当時の私は超がつくほどのシャイボーイでした。
中学生時代に女子とは、ほぼ喋ったことがありませんでした。
女子と喋ることは男として恥ずかしいことだと思っていたのです。
男たるものは
少年ジャンプの主人公のように
女や恋路に無関心であれ、と思っていました。
そして、それがめちゃくちゃかっこいいと思っていました。
友人達が女子と喋ったりなんかしていると
本当はとても羨ましいのですが
「あ、女子と喋って顔真っ赤にしてる~」と茶化したりしていました。
もう1度言いますが
本当はめちゃくちゃ羨ましがっておりました。
でも、女子と話したいけど話せない自分を知られないように必死で周りに自分の本心を隠していました。
そんな私にも当時好きな人がいました。
同じクラスのカヨちゃん(仮)です。
カヨちゃんは男子にすごく人気があったわけではありませんが
部活を一生懸命やる姿にいつも私はトキめいておりました。
話しかけてみたいけど
変なプライドが邪魔して中学に入学して
1度も話したことがありませんでした。
そんな私に1人の救世主が現れました。
それは友達のアッチャンです。
アッチャンは私と違って
平気で女子と喋れるような軟派な奴です。
なんとも羨ましいことに
私の愛しのカヨちゃんとも話したりしていました。
アッチャンは私の友人の中でも
珍しく空気が読めるほうなので
私が密かにカヨちゃんに恋い焦がれてることを察してくれ
「モンキーパンツ、お前カヨちゃんのこと好きでしょ?」
と突然聞いてきてくれたのです。
私は
「アッチャンともあろう人が何を言うんだい?
ふっ、俺がチャラチャラと女子を好きになるわけないだろ?
…まぁ、
カヨちゃんのこと
少しだけ良いと思ってるけどね。
す、少しだけね!」
とカヨちゃんを好きなことを
あろうことか、見事に
隠し通してしまいました。
ところが、アッチャンは後日
「カヨちゃんに連絡して
モンキーパンツとメアド交換していいか聞いてみたらOKだってよ!」と
カヨちゃんのメアドをメールで送ってきたのです。
私は「なんてことをしてくれるのだ!」と怒りが込み上げましたが
それと同時に天高くガッツポーズをしていました。
アッチャンありがとね…
それからカヨちゃんに
ドキドキでメールをしました。
母と姉以外の女性とメールするのは
初めてでした。
心臓が飛び出そうでした。
メールの内容は
アッチャンが勝手にカヨちゃんのメアドを聞いたことであって
別にカヨちゃんに特別な感情はないから安心してほしい旨を伝えました。
本当は特別な感情ありまくりだし
アッチャンにめちゃくちゃ感謝しているのですが、カヨちゃんに気味悪がられて
学校中に変な噂が流れるのを阻止したかったのです。
私は緊張するとお腹が緩くなるので
カヨちゃんの返信が返ってくるまで
何度も何度もトイレに行きました。
母が心配して病院に行くことを勧めてきましたが大丈夫だと断りました。
そして、トイレにいる時に返信がきました。
「こんばんわ🌃
そうなんだね!
あまり話したことないけどよろしくね😆」
と書いてありました。
初めてカヨちゃんと(メールでだけど)喋れた!!
テンション爆上がりです!!
そして、
普段絵文字をあまり使ったことがなかった私にとって絵文字があって驚きました。
そうか!
絵文字を入れたほうがいいのか!
それとメールの中でも礼儀正しく
挨拶をしたほうがいいのか!
女子とのメール初心者だったので
新たな発見がたくさんありました。
そうこうして、それからカヨちゃんとの
メールのやり取りが始まりました。
相変わらず、学校では
話しかけられない毎日が続きましたが
メールだけのやり取りでお互いの仲を深めていきました。
なんだか、とっても青春をしている…
私はカヨちゃんとのメールのやり取りを通してますます好きになっていきました。
そんな中、家でテレビを観ていると
ギャルタレントが
「仲良くなってから3ヶ月以内に告白してこないと恋心も冷めていきますね」
と言っていました。
私は急いでカレンダーを見ました。
カヨちゃんとメールするようになってから
もう少しで3ヶ月を過ぎようとしています。
完全にヤバいです。
もしカヨちゃんが私のことを好きになっていたら、あと残り数日で恋心が冷めていってしまう。
私はカヨちゃんとまだ1度も面と向かって話したことがありません。
初会話でいきなり愛の告白をするのは
ハードルが高すぎます。
でも、もう時間がない。
こうなったらメールで告白しよう!
私は何度もトイレに行きながら
愛の告白メールを作ったり消したりを繰り返しながら作成しました。
その間、トイレに入りたい弟に何度も怒られました。
そんなことはお構い無しに
私はカヨちゃんに
愛の告白メールを送りました。
返事がくるまでの時間が
ものすごく長く感じました。
そして、ようやくガラケーが鳴って
受信BOXを開けてメールを見ると
「ごめんなさい…
友達のままでいよう」
と書かれていました。
私は膝から崩れ落ちて家の天井をしばらく見つめていました。
仕事から帰ってきた父が
私を見て気味悪がっていました。
後日、深い悲しみの中で
アッチャンに全てを打ち明けました。
すると、アッチャンから
「…実はカヨちゃんから相談きてて
最初はモンキーパンツのこと良いと思ってきてたらしいけど、なんかメールの内容が気持ち悪くてで恋が冷めていったらしいよ」
と言われました。
え?
メールの内容が気持ち悪い…?
何がどう気持ち悪いの…?
私は誠実な内容を送っていたつもりです。
女子とのメール初心者の私にはわかりません。
アッチャンにメールを見てもらうことにしました。
「押忍!!!!👊💥
今日の天気も最高だったな!!💡
晴れは俺の一番好きな天気だ!!☀」
「押忍!!!!👊💥
今日のマラソン大変だったな!!💦
でも少しだけ足が速くなってきた気がするぞ!!🏃うおー!最高!!✊」
「押忍!!!!👊💥
明日はなんだか雨が降りそうだな!!☔
俺は長靴を履いていくぞ!!⚡」
こういった文面を送っていました。
アッチャンは頭を抱えて
「これはフラれるわ…」と1人で納得していました。
当時の私は正直、意味がわかっておりませんでした。
でも、今大人になって
好きな女子に送るようなメールではなかったなと、寝る前に突然思い出して恥ずかしさで死にそうになります。
14才の私にとってカッコいいを追求し続けた結果の男らしい文章だったのでしょう。
そんな私が大学生の頃に経験した恋の話がこちらになりますので、もしよろしければお読みください↓↓