【コンサル】有害社員と散った会社その7
改めて読み直したら、誤字がありますね。
申し訳ないです。村上です。
@鷺沼発
マネーコンサルティングスラッシュオー
&資産バランスプロジェクト
さて、予想以上に問題が深刻で把握に時間がかかってしまいました。
もう時期は9月。
コンサル開始から7ヵ月目。
資金繰り表での猶予は4か月です。
前回は、
全く、リーダーシップ開発は進んでいないです(笑)
それ以前の記事もお読みいただくと、内容や知識が増えること請け合いです。
※有料記事は半分は無料で読めますので、ぜひそこもお読みください。
正直この時はメチャクチャ焦っていました。
K社の理由としては
〇Tさん問題が進んでいない
〇予想の斜め上の取締役の反応
〇売上は増加してるものの、返済に追いつかない
〇毎月出てくる新たな問題の対応
です。
無視するところをは除いてもこれだけある・・・
次に村上自身の問題もありました。
〇一年ということで受けていた他社のコンサルの終了(収入ダウン)
〇K社にのめり込みすぎ、自身の新規開拓の遅れ
〇K社の問題の根の深さの戸惑い
です。
そんな葛藤があると知りながらお読み頂けますと、
楽しめるかと存じます。
今回は今まで出てこなかった社長が新規登場。
また新たな問題を巻き起こします。
早速いってみましょー!
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※参考図書は「村上に1円も落としたくない方」は、スルー推奨。
【事例】社長現る!
社長とは一度しか会っていません。
ほとんどが取締役(次期社長)との面談でした。
久々にお会いしたいとのことだったので、
何の話だろ?
と出かけていきました。
話は3つ。
一つはTさんについてです。
まずTさんは頑張っている。
だからTさんを中心に進めたいということ。
村上の回答としては、
取締役中心でなくて良いならば
それでも可能だと言うこと。
会社の方向性を決めるのは誰か?
という話です。
取締役が決めて、TさんがNOと言った時点で
会社の動きが止まるという現在はすでに
「Tさん中心に回っています」。
決定権者はTさん。
それでは困るらしい・・・
では、Tさんが取締役に従うように
社長がして欲しいというのが社外秘書としての意見です。
冷たいようですが、Tさんを甘やかした(有害社員にした)
原因の一端は社長にあります。
ご本人もそれは認めています。
社長も頑張るから、村上も取締役を~という話なら良いですが、
元々決定権者の席は1つしかないわけですから、
無理な話です。
次に、取締役について。
これまた、がんばっているからどうにかして欲しいとのこと。
なるほど。「がんばっている」が生まれたのは
社長からなんですねぇなんて考えていました。
こればっかりは、
「誠心誠意お応えできるようがんばります」
としか言いようがない。
3つ目が会社について。
何がK社は間違っているのか?
という話。
村上はK社の過去行った行動は「大きくは間違いではなかった」
と考えています。
間違えていたのはたった3つ。
・世の中の動きを注視していなかったこと。
・他者の忠告を無視してきたこと。
・評価するところが間違えたこと。
です。
【事例】K社の過去の過ち
小さいようで、大きくK社の未来を変えた3つのこと。
一つ目は、
世の中の動きを注視していなかったこと。
当ブログの読者は聡明な方が多いので恐縮ですが、
「会社は変化しないと生きていけない」
わけです。
それを忘れていた。
例えば、社長・取締役が得意とする「接待営業」。
昔は普通のことでした。その印象が変わったのは、
1998年に起こった「大蔵省接待汚職事件」です。
その時に、接待=汚いものという印象になってしまいました。
※通常の接待はそうではないんですけどね~
次に、その後「失われた20年」と言われるデフレ時代へと続いていきます。
会社の利益が少なくなり、コストカットが行われます。
コストカットの対象となったのは、交際費です。
タクシーチケットが会社からもらえなくなり、
接待も事前申請となりました。
また、取引先と癒着が起こらないように会社が
目を光らせるようになる。
会社で「いや~昨日接待で楽しんだんだよ」
と大ぴらに言えない雰囲気になったんです。
※村上自身も接待はちょっと困る時がありました。
というのは、接待してくれた先を技術で選んだのに
「接待されたから」と邪推されたくないからです。
営業は、顔見せて・酒飲んで・ゴルフ行って・体力勝負から
提案力・交渉力・本業支援力へと必要な能力も変わっていったわけです。
それに気が付けなかったから、
今必要な力が足りなくなってしまったと解釈しています。
次に、他者の忠告を無視してきたこと。
誰の忠告も聞けば良いわけではないです。
でも、自分は間違えてないか?と自問自答することも
必要。
K社はリーマンショック時にも苦境に陥っています。
その時、苦しいからということで優良取引先の手形を筋の良くないところで
割り引いてもらっています。
自社の手形が筋の良くないところへ流れることは、嫌われます。
当然のように、「取引停止」となりました。
知らないことは悪いことではありません。
失敗から学べば。
当時も税理士さんが「それ大丈夫ですか?」と
確認したそうです。
社長は「うるさい!」と無視してしまったそうです。
それ以降は税理士さんから何か提案はありません。
また、給与面でもそう。
社外秘書として決算を見た時に、
内部留保がないことに疑問に感じました。
理由は利益はボーナスで還元してしまっていたからです。
※その1【事例】給与がおかしい・・・を参照
その時に、厚生労働省の資料とともに、
「TKCのBAST」で同業界の労働分配率も確認しています。
この時取締役も社長も「誰も教えてくれなかった!」
と冒頭仰っていましたが、
給与面は銀行や社労士さんが、内部留保については税理士さんが
資料を見せないまでも疑問を投げかけています。
時に他者からの忠告は、意味があるわけです。
そして、応援してくれるはずの税理士・社労士さんの忠告を
無下にすれば誰も何も言ってくれなくなります。
最後に、評価を間違えたことです。
「社員に頑張って欲しい」と思うことは、経営者が皆思うこと。
しかし、がんばる方向性が違うことを評価してしまえば
会社の生産性は駄々下がりです。
一つは、見積書の大量作成をがんばりとしてしまう。
※無料部分【考察】組織を間違った方向にする4要因を参照
その他、営業員がメールでの連絡を頼まれていたのを
訪問してしまい怒られたことがありました。
結果失注してしまうのですが・・・
この訪問を「がんばり」と褒めてしまうなど。
契約に近づく、会社が良くなることに向かっていくことを
「がんばり」と褒めることは悪くないですが、
ただの遠回りを認めてしまうと全員が非効率へまっしぐらです。
【事例】社長!今後のことですが・・・
9月の頭に行われたこの面談では、
上記の話をすることとなりました。
社長には、毎月取締役に説明したものを
資料として送付しており理解がはやかったのも
良かったことの一つです。
ですが、今後の話をしなくてはいけません。
村 「社長以前の資料なんですが、営業3人で
会社全体7人を支えるのは少々無理があります。」
社長(以下社) 「うん。私もそう思う。」
村 「すると、今後取引先との接触を増やしながら営業の見直しと、採用を考えなくてはいけません。」
社 「資料に書いてあったやつだね。そう思うよ。」
村 「営業の見直しとして進めてるのは、接触の増加と提案力の底上げです。
Hさんはほとんど今まで成果を上げていませんが、少し上向いてきています。
取締役は、数字上は多少Hさんより良いですが営業経費つまり接待やゴルフが多すぎてこれが課題です。抜本的に営業方法が変わるので苦戦すると思います。
問題はTさん。何もやっていません。数字も停滞したままです。
これですと、一丸となってという取締役の想いは実現されません。」
社 「Tさんなりにがんばっていますよ。」
村 「社長は最近社員の方と会話していますか?」
社 「挨拶くらいかなぁ」
※営業Hさんとはここ15年で2回しか話したことがないそう。
社長の仕事とは・・・
村 「お言葉ですが、社長が彼女なりにがんばっていると思っているのは過去のものだと思います。現在の彼女の仕事ぶりを具体的にもしくは数字を把握していますか?」
社 「してないなぁ」
村 「Tさんがやらないのは結構ですが、新人が入った場合悪影響があるのは事実です」
社 「ん~」
村 「ここまでが一点目。次に、Tさんは以前OさんやSさん(今は取引先の部長)を退職に追いやっていますよね?経理で入った若い女性もイジメにあったと聞いていますが・・・」
社 「二人ともTさんとは合わなかったね。経理の子も言われてたのは知ってる」
村 「すると、新人を雇ってもTさんに退職に追いやられる可能性があります。これは時間もコストも無駄になるので、避けたいです」
社 「ふむ」
村 「三点目。これで最後ですが、現場で実際に作業をしてくれる協力会社が今足りないのはご存知ですか?」
社 「息子(取締役)からも聞いているよ」
村 「最近も取引お断りの連絡が来たのはご存知ですか?」
社 「なんか言ってたような・・・」
村 「聞いているなら良かったです。これ、Tさんが成約にならない見積もりを何回も依頼した結果だと聞いています。また、作業の途中で無理を言って取引ができなくなった先もいくつかあります。
ご存知ですよね。」
社 「Tさんはかなり好き嫌いがあるよね。」
村 「協力会社は会社と会社のお付き合いですから、Tさんの好き嫌いで取引が終わるのは少々問題です。また、他の2点を考えてもTさんは問題社員だと認識しないといけないです。」
※さすがに有害社員とは言えなかったです💦
社 「村上さんはどうしたら良いと思うの??」
村 「イジメや協力会社については、厳しく注意しないといけないです。
また、指示を無視することに関しては口頭注意後はお給料に反映させる仕組みは必要です。」
社 「Tさんにそんなこと言えないなぁ」
村 「言えない理由ってなんでしょうか?」
社 「会社の半分くらいの売上はTさんだもん・・・」
やはりここに帰結するのか。
【事例】有害社員の話とスケジュールの話
そろそろTさん問題に手を付ける時期だと判断していました。
というのは、取締役とTさん二人(しかも営業)を抱えての変革は難しい。
かといって、即Tさんをクビにしようという話ではありません。
村 「社長。理想はTさんが自分優先ではなく、会社のことを考えてくれるようになること。そして、他の社員や取引先を好き嫌いで攻撃しなくなることです。何も即リストラだとか、修正とかではありません。」
社 「そのうち変わるよ。」
村 「いえ、この問題は自発的に変わることはありません。適切な指導と報酬体系と経営者の覚悟は必要です。」
社 「給料を下げるということ?」
村 「今わかっているのは、今のスケジュールで売上が進んでいくと
翌年1月に資金はショートするということです。だから、全体としてお給料は考えなくてはいけません。ですが、業務指示の違反に対して、協力会社の不当な取り扱いに対して、同僚への不適切な言動に対しては給料が減額する仕組みは必要です。」
社 「村上君が言ってくれるんでしょ?」
村 「いえ、それは経営者の仕事です。もちろんその時同席が必要でしたらします。次に、Tさんが変わらなかった場合です。その時は、退職もしくはお給料の大幅な減額をするという経営者の覚悟は持って欲しいです。」
社 「Tさんが変わらなかったらといっても、期間は?そしてTさん辞めたらもっと売上なくなるじゃない。」
村 「期間という意味では、新人を採用する予定の一年後までには変わらないとK社で活躍していくことは難しいです。そして、一番大切なのはTさんが辞めたところで売上は落ち込みません。」
社 「え!?」
村 資料を提示。
「まず、K社は提案営業ではありません。それは、それほど能力に左右されないということでもあります。Tさんが営業成績が良いのは、取締役・Hさんよりもお客さまに接触しているからです。逆を言えば、取締役もHさんもお客さまに接触する数を増やせばそれなりに営業成績は伸びます。
ここまでは良いですか?」
社 「うん。でもなんで二人は接触しないの」
村 「それは持って行くものがないからです。ですので、K社通信と技術通信を作りました。これを郵送か持参するだけで良いです。
Tさんは、担当者と異性ということや押し出しが強いから接触はできています。」
社 「それならば、Tさん問題ないじゃない」
村 「いえ、前話した通りTさんが治すべきは営業手法というより、業務指示を守ることと、協力会社や同僚への理不尽さです。」
社 「そうか。でもHと息子の営業成績上がっても三人分には足りないでしょ?」
村 「はい。だから辞めた場合はもしくはそれを見越して新規採用をするんです。それと、ご存知の通りTさんは社内でも嫌われているので、連れ立って他が退職することもないです。」
社 「新人がすぐに営業できるの?」
村 「同行したり、内容を確認しましたができます。なんなら、明日からでも私もできるくらいです。」
社 「そうなんだ。でもなぁ、Tさんのことを私は好きなんだよ。」
村 「社員のことを好きなのは、経営者として大切ですよね。しかし、会社のことを考えてくれる社員を好きになった方が良いと思います。
また、本当に好きならばTさんが変わるように促すのも大切だと思いますがいかがでしょうか。」
社 「嫌だなぁ~。この話題嫌だよ。」
ん~~。以前から言う通り、村上もリストラは好きではありません。
けれど、避けられない瞬間はある。
社長も取締役も大切な部分は逃げるクセがある。
その他でも決断は避ける。徹底的に避ける。
これは、少々問題。
結局結論は得られないままにこの日の面談は終わりました。
次は翌週の通常の取締役との面談です。
社外秘書って意外と大変なんですよ💦
→つづく。
※これは、ハッピーエンドとなるお話ではありません。
※こんなことあるの!?と思う方もいるでしょう。しかし、これが赤字会社のリアルだったりします。
ということでまた(●´ω`●)
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