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美容院がもたらすいくつかのマジック☆

「なにかいつもと違いますね」「ああ、美容院に行ったばかりなので」「綺麗な仕上がりですね~。とてもいいと思います!」

美容院に行ってから定期的に顔を合わせるイタリア女子と会ったら、褒められた。
他人に褒められるために美容院に行くわけではなく、まずは綺麗に髪を仕上げてもらうことで、自分の気分も清々しくなるので、それだけでも良い効果があるのだが、そのことを口に出して言ってくれる人がいると、さらに嬉しい気持ちになるものだ。

だからと言って、それをいつも意識しているわけではないが、人と会って、美容院に行ったような形跡が見られたり、なにか新しいものを持っていたり、その人が着ているのを見たことがない服を着ていたりすると、それについて口に出して本人に「美容院に行った?」「このバッグ、新しいですね~」「この服、はじめて見た!」「この色、綺麗ね」等と伝えるようにしている。まあ、そう決めているわけではなくて、自然にだいたい口から言葉が瞬間的に出てくるのだが。

対象の人が、その時、虫の居所が悪い顔をしていたり、人をあまり引きつけないオーラを出していたら、気が付いていてもなかなか言えないこともあるのだが、本当は、そういった相手にこそ言ってあげた方がよいのかもしれない。

美容院の話に戻ると、緊急な必要性に迫られていなければ(わたしにとっての美容院に行く「緊急な必要性」とは、結婚式や公的に人前に出るとか、ルーティンではなくて、よりきちんとした服装で臨みたい要件・仕事がある等)、できるだけ雨の日は外したい。雨の日に行かざるを得ない時には、せっかくの仕上がりも長く保つことができず、同じ費用を支払っても喜びが半減するからだ。

雨続きだったため、伸び伸びになっていた美容院の予約を、スケジュールの入り具合と天気予報とストライキの情報(イタリアでは、これは重要!ストライキがある時はなるべく影響を受けそうな余計な予定は入れたくない)とのにらめっこで、キツキツだったが、もうこれ以上は待っていられない!!と、前日にお店に予約の電話をした。
本当は、そちらの方面に足を運ぶ機会があるので、その日に予約を入れるのがベストなのだが、あいにく、前後の予定の時間がキツキツで、美容院の予約を入れ込む余裕がなかった。
そこで、他の日のその前の時間帯にも別の予定があったものの、わざわざ美容院のために出かけることにしたのだ。

お店に到着するやいなや、「チャオ、○○!」とスタッフではなさそうな先客の女性が待合いスペースのソファの方から、わたしに挨拶するではないか。誰?と思って近付いてよく見たら、たしかに知っている彼女だった。同じ美容院に通っていることは知っているが、そこでばったり顔を合わせるのは二回目。仕事の中抜け許可をもらって来ているのだと言う。予約をしたのは一週間前とのこと。

おもしろいのは、わたしは直前に彼女の関係者の人と顔を合わせていて、美容院に行くことを話したら、どこの美容院かも確認されていたのだ。確認されなくてもいつもと同じだし、その美容院にはその人も通っているのだけれど。
そこで、そのことを彼女に伝えたら、「え〜、わたしも美容院に行くことを言ったけど、あなたのこと何も言ってなかったわ!」と。
そう、その人は他の人の言動については、第三者、それがごく身近な人であっても、あまり吹聴しないタイプなのだ。それはそれで、口が堅くて、信用はできるのだが。

わたしたちは、施術中も隣り合った席に通されてはいたものの、それぞれ、スタッフの人と会話したり、携帯電話でなにかをしていたりと、別々に過ごしていた。
彼女の方がやや早い進捗状況だったが、あとで「話しましょう」と言われていた。
カラー・シャンプー・ブローと進み、わたしの髪が着々と綺麗に整えられつつある時、彼女はふたつ隣りの鏡と椅子の近くに立っていた。そして、ふとした瞬間に、「え?あなたなの?髪の雰囲気が違うから気が付かなかった!え〜、いいじゃない、その髪型!」と声を上げる。

そうなのだ、それぐらい髪型で人の印象というものは変わるのだね。だいたい、彼女と会う時は、美容院に行く直前ということが多いので、整えられたほやほやの髪で会うことがなかったため、なおさら驚いたようだ。

わたしたちは先々に会う概ねの約束をして別れたが、こうした予期せぬ偶然の出会いは、関係や日常にちょっとしたアクセントをつけてくれて、愉しいものだ。



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Jacqueline
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