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緑のヒト

「わぁ、緑がすっごく似合ってるじゃない!」と、会うやいなやに言われた。そして、よほどにその印象が強かったのか、もう口に出さずにはいられないのだとばかりに、その十分か十五分の立ち話の間に少なくとも三、四回は繰り返された。
たしかに、その日のわたしのコーディネートは、アウターも含めて、頭部から上半身は緑のグラデーションだった。それに、青系のアイテム数点、黒のパンツ。
わたしにとって、とても心地好く、コンフォートな組み合わせだと、家を出る前に鏡で確認していた。安らぐとともに、気分も好い。

一方、彼女は自分には緑は似合わないのだと、すごく残念そうに言う。

わたしには、まだ、彼女の色が何色になるのか判断しかねていた。それは、実際に顔を合わせてじっくり話す機会がそれほど多くないからだと思う。

でも、大丈夫。
この人は、自ら、どんな色が好みで、どんな色が似合うか似合わないかを教えてくれる。
好きな色と似合う色は必ずしも一致しないと言う。彼女の友人の中にも、この色は合うor合わないと指摘してれる人がいるそうだ。

たとえば、ベージュの服は好きだけれど、合わない。
ピンクは合う。しかも、マゼンタやショッキングピンクなどの濃い強いピンクがいい。
ボルドーも好きだけれど微妙かも。
ネイビーは好きだし、合う色。ブルーも。
グレーも良い。(コートの下に着用していたグレーのグラデーションボーダーのニットを引っ張って見せながら、こういうのと教えてくれる)
オレンジやイエローはいまひとつ。
でも、その時、マスタードのショルダーバッグをブラックのコートの肩にかけているのを見て、それは大丈夫なのかと尋ねると、そのぐらいの小物ならばOKなのだそう。
わたしも、オレンジやイエローは自分のカラーではないと思うものの、ひとからは、「イエローは合うんじゃない?」と言われる旨を口にすると、「あ、あなた、イエローは似合いそうよ!」と言われる。
そうなのかなぁ……と半信半疑だが、けっこう言われる頻度は高いかも。

短時間の間に、彼女が読んでいる作家の本を、わたしも読み終えたことを伝える。
読んでいる本や好みの映画等が類似している人なのだ。

他の人から聞いていた話で、好みや話題にすることが似ているとは思っていたが、きっと、もっと接する時間が多くなれば、より親しくなれる女性ではないかと思う。






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Jacqueline
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