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2024/2/9沖縄との出会い8

 本部の集落をノートを持ってみんなで聞き取り調査を行うこととなった。人のいる家を飛び込みで訪ねて「戦争の時のお話を教えてください。」と聞いてまわった。セメント瓦の民家が多く、ウージ畑の側の道を歩きながら家々を歩いた。のんびりとテレビを見ながら休んでいる方もいたのに、ハイテンションの小学生たちが庭先に突然ドヤドヤと現れて、さぞや驚いたことだろう。しかも戦争当時のことを「話してくれ」もないもんだ。とうとう1軒も話してもらうことができなかった。私たちは幼く、人の痛みに思いを寄せるすべを知らなすぎた。
 男の子たちは機嫌悪く、文句を言い始めた。「大切なことなのに、どうして話してくれないのか。」「伝えなくてはならないはずなのに、どうして話してくれないのか。」私たちもだんだん逆切れのように腹が立ってきた。先生に報告すると「そうだろうなあ。」と大笑いした。笑うことなのか?その笑い方にも疑問を感じ、私はあの時の雰囲気が今も忘れられない。私の幼さにも腹が立つ。

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