ずっとお父さんだった
職場に着くと、妻からLINEが来た。
「お父さん9年、お疲れ様です✨」
はて?なんだっけ?と呆けたのは一瞬で、すぐに気がついた。今日は娘の誕生日である。
めでたく9歳児になった。
初めてのことばかりで、時間的にも体力的にも、親の手がかけられる子ではあったけれど、本人からすれば「記憶にございません」だ。
今でも、姉妹で喧嘩すると、妹ばっかり優先して!と怒る。もっともだと思うけれど、バランスなんて取れない。ごめんね。
ともあれ、今日みたいに晴れた空が懐かしい。病院の分娩室にはステンドグラスふうの飾り窓があり、朝日が差し込んできたのを思い出す。その光を見つめ、僕たち夫婦は娘の名前を決めたのだった。
早朝に生まれたので、立ち会いしていた僕は、病院からほぼ直接出勤した。
前日、なんの兆しもなく帰ったため、職場では驚きとともに喜んでもらえた。周囲が半分以上ママという特殊な職場だったので、気遣いもとてもありがたかった。
昨晩は、娘が生まれる直前の晩ご飯メニューであった焼きそばを食べたかったが、当の娘が焼きそばはイヤだと言うので、別のものになってしまった。
少しずつ大きくなっている。
もう何でもかんでも親に聞かなくとも、やりたいことを判断するようになってきた。しかし、やりたいからといって自由にはさせられない。行動に対する怖さのようなものが僕たちの子どもの頃と違うのか、親が心配しすぎなのか、「えっ?」と思うことがよくある。
子だけが都合よく解釈し、後々良くないことになることも何度もあった。これからもそうだろう。
そのたびに僕たち親は、自分自身の考えをアップデートさせるのだろう。
どこに行っても「お父さん、って感じですね」と言われる。なんなら、結婚する前から、学生の頃から言われていたことだ。僕は、結婚する前から、“お父さん然”としていた。
そう言う意味ではもう20年以上も、お父さんらしさは装っているから、この9年の実践期間を経て、改めてお父さんらしさを問い直したい。
いやそういうとこだよ、と妻から言われそうだ。根が真面目なのだから、仕方がない。
お父さんが9年なら、お母さんも9年である。子どもと一緒に成長したい。
この記事が参加している募集
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!