読めなくていい、でもきっと口にしたくなる
バームクーヘンというお菓子がある。年輪という意味のドイツ語から来ており、ぐるぐると回しながら生地を塗り重ねて焼いていく。きっと、多くの人が一度は口にしたことがある焼き菓子なのではないかと思う。
本家のドイツではあまりメジャーではないようだけれど、甘さとその口当たりの柔らかさ、香りの豊かさから、日本では人気が高い。第一次世界大戦で捕虜となったシェフが、日本に伝えたとされている焼き菓子である。
専門店も、さらには個人店だってあるくらい、人気であり、作りやすいお菓子なのかもしれない。作りやすいというのは、その実、作り手によって美味しさがブレるものでもある。
バームクーヘンといえば、どのお店が美味しいだろうか。
老舗であり、日本にバームクーヘンを伝えたと言われているのは、ユーハイムである。そして現在、日本三大バームクーヘンは、ねんりん家、クラブハリエ、治一郎、と言われているらしい。
さらに、コンビニも負けてはいない。さまざまな形や名前で、バームクーヘンだけでなく、さまざまな焼き菓子が売られていて、つい買ってしまう。
中でも、多くの人が頷く(と信じている)のは、無印良品で展開されているバームクーヘンの破壊力と多幸感である。とにかく種類が多い。季節によっても変わるため、通年で楽しむことができる。
コンビニや無印良品で、それらのバームたちを買った時に、必ずと言っていいほどみているのが、パッケージの裏側にある食品表示である。添加物云々というよりも、どんなお菓子なのか、何が入っているのか、どこで作られているのか・・そんな観点で眺めていることが多い。
美味しいなぁ・・と思いながら、その表示欄を見てみると、ある会社名が共通して書かれていることに気がついた。無印、コンビニ、さらにはスーパーにある個別包装のバームクーヘンに至るまで、この会社名であった。
その名も「香月堂」
すぐに読めるだろうか、こうげつ?かげつ?・・正解は”かげつどう”である。
僕が口にしている、多くのバームクーヘンはこの会社で作っているようだ。特に無印のバームクーヘンは、それぞれの素材の味がよく出ていて、あれを食べたら、これも、それも・・と続いていく。残業の始まりなどに、コーヒーなどと一緒に食べると、それはそれは至福の時なのである(仕事しろ)。
初めて買うお菓子でも、パッケージに「香月堂」とあれば、安心して買うことができる。バームクーヘンだけでなく、フィナンシエやパウンドケーキに至るまで、香月堂とあれば、むしろ購入決定と言ってもいい。
こんなにも信頼している会社だが、実は僕も読み方がずっと分からずにいた。もちろん、サイトを検索すればすぐに分かるのだが、読めなくて困るわけでもなく、パッケージを読んだときに「どっち⁉︎」と迷うだけだ。
しかし、とある旅行先でスーパーに立ち寄った時、パッケージの表面に大きく「香月堂」とある商品を見つけ、ハッとしたのである。社名の下にはアルフベットでローマ字が並んでおり「KAGETSUDO」とあった。・・・読み方のモヤモヤが晴れた瞬間であった。(もちろん、その商品は購入した)
これからも、香月堂にお世話になるだろう。
コンビニで買っても、無印で買っても、香月堂がそばにいてくれたら、幸せなおやつタイムが、豊かな残業の始まりが(ちゃんと仕事しろ)、約束されているのだから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!