ぱたんぱたん
数年間続けてきた朝の習慣が、新しい家族の登場によって、新しい展開を迎えることになった話です。
それまで僕は、朝の家事として、だいたい5時半に起きて、洗濯物干し、食洗機からの食器出し、味噌汁やご飯炊き、自分のお弁当作りをこなし、身支度をしていました。
時間があればnoteを書いたり、冷蔵庫の中にあるものでおかずを作ったりして、その隙間で自分の朝ごはんを食べて、家族を起こして、慌ただしく出勤…と、朝の時間を結構パンパン詰めて過ごしていたのです。
それは、やらないと落ち着かない、まさに習慣になっていました。その習慣はかなり存在感が強く、平日だけでなく休日も毎朝同じようなことをしていました。
気を抜いてもいいはずなのに、その次の日が怖くなるのです。面倒臭いと思うハードルは驚くほど低いもの。翌朝の面倒臭さを想像すると、毎日変わらずにやる方が、楽だと信じていたのでした。
それはインフルエンザに罹って、頭痛がしていても同じでした。目が覚めて、何かせねばと思うから、同じように家事をこなすこともありました。実際には、かなり処理能力が低下していて、めちゃくちゃ遅かったのですが(笑)
習慣化すると変えられない、そんな僕を妻は「習慣の人」と呼びました。まれに寝坊して時間が遅れても、やることは減らせず、自分の朝ごはんを抜こうとしたこともありました。
そんな朝の習慣が、新しい家族の登場でガラリと変わりました。昨春、朝の家事の中に、赤ちゃんへの授乳が加わったのでした。
当初は、冒頭に書いた家事に授乳を追加しようとしましたが、無理でした。それは、習慣化できなかったからです。赤ちゃんはいつ泣くかわかりませんし、ミルクを飲む速さも日々違います。
それまではある程度順序立てて家事をしていたのが、“赤子の手を捻るが如し”ならぬ、赤子に手を捻られるが如く、取りこぼす家事が増えて行ったのでした。
寝起きで泣いていれば、最優先でミルクを作り、飲ませ終わると家事をする時間が少なくなっていて、洗濯物が干せないまま、お弁当が作れないまま出勤することもありました。
洗濯物を干すタイミングが遅れると、次の日に着る服に困るのは子どもたちでした。(枚数はあるはずなのに、着たいのが少なすぎるため)
いつしか、洗濯物は寝かしつけの前に洗濯機を回し、寝かしつけが終わると、寝落ちしていないほうが、洗濯物を干し食洗機を回すという、夜家事スタイルに変わって行きました。
朝起きると、それまで溜まっていた洗濯物は干し終えてあります。食洗機から出して片付けて、授乳や離乳食の対応をする流れは、ようやくスムーズになってきました。
そんなふうに、家族とともに生活はさまざま変化していますが、変わらない習慣もあります。
それは、卵焼きを焼くこと。
我が家では、子どもたちとの会話のつごう、卵焼きが目玉焼きと同義で扱われていた時期があり、区別するために、その製法から卵焼きを“ぱたんぱたん”と呼び続けています。
お弁当には必ず入れている卵焼き、子どもたちも遠足などでたまにお弁当の日があると、とても楽しみにしてくれるのです。
卵2つに、白だしを少し入れて、卵焼き用のフライパンで、ぱたんぱたんと焼いていきます。最近は、僕のお弁当用と子どもの朝ごはん用に、半分こして残しておきます。卵1つでも焼くことは出来るのですが、2つや3つ使うと、ふわふわに焼けるのです。
とりあえず卵焼きがあれば、何とかなる。そんな朝ごはんの味方なのです。
うまく焼けた日は気分がいいし、ちょっと焦げた日は気持ちが締まります。
幸せの黄色いぱたんぱたん、今日も焼けました。