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憧れの先輩の過去

社会人になってから初めて出会った尊敬する人。
その人は私よりも後に入社した30代後半のお姉さん。
本当に数日前から一緒にしたばっかりだっけ?と思うくらい、気づいた時には頼もしい存在になった。
いつも私の仕事ぶりを褒めてくれて、本当に業務過多になってないか、負担に感じている部分はないか、週一の定例で確認してくれた。

私が疲れ始めていることにもすぐ気づいてくれた。
「今日はもうこれ終わったら帰りな!残りは私の方で処理しとくから!」
「2人でもできる作業は後回しでいいからね」
「私にできることある?あったら遠慮なく振って!」
いつもこう言ってくれていた。
彼女に言われるまで、自分1人でこの業務をやっていることは普通だと思っていた。
割と入社してすぐ1人でやらなければいけない環境になったから、それが普通だと思ってやっていた。
よく頑張ってる、あなたはできる人だからこなせてるんだよ、周りから見たら結構大変なことやってるよと言われて、最初はそうかな??と疑問だった。

でもたしかに、彼女がきてからどこか心が軽くなっていた。
相談できる人がいる、伴走者がいる、一緒にあーでもないこうでもないとはなせるひとがいる、社会人の先輩としてアドバイスをくれる人がいる。
そのありがたい環境を次第に痛感し始めた。

彼女は立場上、私の上司にあたる。
そして職場の中でいちばんの味方。

私の疲労が身体に出始め、度々体調を崩すようになってから、私の異変をとても気にかけてくれていた。
さらに上の上司にmonaちゃんが心配だと毎週報告してくれていた。
いつも私の様子を見てくれていた。
私はそんな彼女がいるから頑張れた。
そう思える人に出会えたことも宝物だなとつくづく思う。

でもまた適応障害の症状が出てしまった。
会社へ向かう足が鉛のように重い日が増えた。
それでも彼女がいるからと、私の頑張る理由に彼女がいた。

私は今、業務量を少なくしてもらっている。
元々人手不足な中新たな業務がどんどん増えていた会社のなかで、私が抱えていたものを彼女や他の仲間に渡すことになることに申し訳なさを感じ、自信をなくした。

そんな私を見透かしていたかのように彼女はこう言ってくれた。
「あなたが自信をなくす必要なんてまったくないんだからね。あなたの仕事ぶりを適正に判断できず、無理な配置をさせた上司の責任だから。それに元々過多だった業務を適正に戻すくらいの感覚なんだから、決してサボってるとか手を抜いてると思う必要もない。絶対にあなたの自信は無くしちゃいけない。」

なんでこの人はこんなにもわかっているんだろうと思った。
きっと同じような経験があるのかもとこの時から思い始めた。

彼女は私以外の人からも慕われ、頼られている。
仕事ができて、気配りもできて、世渡りが上手そうで。
今日20代前半のスタッフが彼女にこんなことを言った。
「なんか〇〇さんって生きるの上手いですよね。なんかいいなぁ。」
私は考えるまもなく
「たしかにそう見える。でもきっといろんな苦労をして今に至ってるんじゃないかな」

それを聞いた彼女が言った。
「私もさ、昔苦労したんだよ。monaちゃんと同じ。真面目だったし頼られちゃうから頑張っちゃって。精神科に通ったこともあるからね。そういうのから学んで今に至るのよ〜」

やっぱりそうだった。
同じだった。
最初から居心地が良くて、なんの違和感もなく相棒のように仕事ができて、私のちょっとの異変にもすぐ気づく。
彼女も同じような人柄で、似た経験があったんだ。

彼女はよく「ほんとにmonaちゃんとはすぐ馴染めたなぁ。あなたがいなかったらこの職場にこんなに早く馴染めてないし、あなたがいないと私の仕事も成り立ってない」

そしてよく、会社に感じる違和感についても話が合っていた。
だよね!同じこと思ってた!という話題がいくつもあった。

社会人になって初めて、この人にならついていきたいと思た人だ。
私もこんな立ち回りができる社会人になりたいと初めて思った。

強く見えていた彼女は、生まれた時から強いわけじゃない。
最初からこんな立ち回りができる社会人だったわけじゃない。
真面目さが自分の首を絞めてしまって、苦しんだ過去から学んで今に至ってる。

それを知って、なんだか希望を感じた。
私も今働き方や立ち回りに悩んでいるけど、この経験も自分を強くしてくれていて、いつか誰かを救う力になるかもしれない。

明日も程よくがんばろう。
程よくでいい。
そのくらいの気持ちのほうがちょうどいい力を発揮できる。
ここぞというときのために自分を健康に保たなければいけないから。
程よく。

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