「リーダーに必要な力」とは何か?
熱心に取り組め仕事を現場で続けたい、という考え方は大事だ。
その一方、レベルアップのためには、「リーダーには何が必要かを考えている」ことも同じくらい重要だ。現場での仕事を続けていたとしても、ノウハウを後継に引き継ぐことがいずれ必ず求められると思う。
と思い、手に取った一冊を紹介。
チームリーダーに必要なたった一つの力 | 野口吉昭 著
特に意識しようと思ったのは以下のポイント。
・夢とビジョンを語れる
・「生かされている」と実感できるか
・狭い我を超える
・茹でガエルにならないために
・夢とビジョンを語れる
成し遂げたい「夢」があり、それを達成するための具体的な「ビジョン」を語れる人に、人はついていきたいと思うもの。だから、人の愚痴を言う前に、いかに「主体性のある自分で居られるか」が重要。主体性があれば自分に何ができるかの視点で考えるし、部下のやる気を引き出すこともできる。
また、「主体性」を意識することで、部下のミスなどで問題が起きた時にも、叱責ではなく、「なぜそうなったか?」を問いかけることで、主体性を導き出し、長期的視点で同じミスを防ぐことができる。
・「生かされている」と実感できるか
「自分自身でこのポジションを勝ち取った!」と思うのではなく、「なぜこのポジションに自分が必要だったのか」と自問自答すること。そうすると、組織にとって自分が何ができるか、という視点を生み、高く広い視野で自分や自分の周りを見ることができる。
・狭い我を超える
- ヘンリー・フォードの言葉を引用 -
安く品質の良い車を作ることは、自分の名誉や満足のためではない。そういった車を多くの人々が買ってくれるなら、自然と事業の機会が増える。道路が広くなり、部品メーカーはもっとたくさん必要になるし、そうなればフォード社だけでなく、土木工事、部品メーカー、素材メーカーに多くの人々が職につけることになる。そして生産性が上がり、自分たちの製品が売れれば、さらに多くの職が生まれ、賃金が上がる。賃金が上がり豊かになれば、より多くの人が車を持てるようになる。
つまり、人々の幸福を考えて仕事をすれば、回り回って自分も豊かになるということ。自分を超え、狭い自我を捨てたビジョンを部下に示すことで夢を叶えることができる。
・茹でガエルにならないために
「コンピューターは世界の市場でも、5台しか売れないだろう」(IBM会長 トーマス・ワトソンjr 1943年)
「いったい誰が声優の声を聞きたいと思うだろうか」(H・M・ワーナー・ブラザーズ創始者 1927年 無声映画時代に)
「彼らのサウンドは好きになれない。ギター音楽も廃れてきているしね」(ビートルスとの契約を断ったデッカ・レコード 1962年)
目の前の常識にとらわれると、想像力が欠如する。だから既成概念にとらわれすぎてはいけないと痛いほど感じる例。
部下のアイデアをやみくもに却下してはいけない。ちょっとずつの変化に気づかず、いつの間にか手遅れの熱湯になってしまう「茹でガエル」になってはいけない。