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完全バリアフリーにはできない我が家の選択

webライターのtaeです。
94歳の義理の祖母を在宅介護しながら、介護する中で得た知識や体験を通して感じたことなどを発信しています(^^)

今回は『介護するならバリアフリー化の重要性は分かっているけど、家の中全部を介護仕様にはできない!』という我が家の選択についてお話していきます。

『住宅改修以外でなんかいい方法ないの?』という方にも参考になればいいなと思ってます。

住宅改修の意外な壁

介護するならバリアフリーにしないと!って言われますが、
正直、既存の自宅をバリアフリーにするのは大変です。

昔、住環境コーディネーターの仕事してたときに
介護保険を使った自宅のリフォーム(住宅改修)をするための
書類を作ってたんですけど、
介護保険が使えるからって完全バリアフリー化は難しいんですよね。

介護保険を使った住宅改修についてはこちらのnoteを参考に。

介護保険の制度が住宅改修の壁になることももちろんあるんですけど、我が家の場合は意外なところに壁があったんです。

おばあちゃんVS家主

我が家は5年前に老朽化及び同居のために古い家を建替えました。
そのころからおばあちゃんはもう介護認定を受けていたので
設計の段階でお部屋と廊下との間に段差は無くしていました。

ただ、玄関だけはしっかり段差があるんです。

おばあちゃんが外出するといえば
デイサービスか通院か、たまーに行われる同窓会か・・・。

当たり前ですがそのたびに玄関の段差を降りて外に出る必要があります。

建替えた頃から、
「なぜ玄関に手すりを1つつけてくれなかったんだ?
手すりがあればもっと容易に段差が下りられるのに」
とよく言っていましたが
家主の義父は譲りません。

玄関はいわば家の顔です。
定期的に10人程度の来客がある我が家にとって
玄関から客間への導線は非常に重要で、
リビングまではお客様仕様で設計されています。
(リビングより奥は家族仕様です)

こだわって作った家ですから
双方の言い分は
真っ向から対立。

義祖母「手すりくらいつけてくれてもよかろう」
義父「そんなことできん。邪魔になるし見栄えが悪い」

あれから5年やり合いましたが、
おばあちゃんの言い分は通ることはなく…

外出時は壁にもたれて上がったり下りたりしていたんですけど
踏み外しそうになったり
足が上がらなかったり
だんだんと不具合が出てきました。

住宅改修せずとも介護の悩みを解決する方法

我が家のように、
介護が必要な高齢者が夫婦で住んでいるわけではなく、
子世帯に引き取られて生活していることも多いです。

いくら介護が必要な家族がいたとしても
自分たちの家を介護のしやすい家にリフォームできるかっていうと
皆が皆できるわけではありません。

一生のうちで家って大きな買い物です。
少なからず夢と希望、そして理想が詰まっていると思うんですよ。

譲れない部分もきっとあります。

それは別に
「なんてひどい家族なんだ!」
ってことではないと思うんです。

譲れない部分があって当然。
だって頑張って建てた家なんだもん。

とはいえ、
介護の悩みを放置するわけにはいきません。

だったらいっそのこと
改修ではない方法を考えてみましょう!

福祉用具で介護の悩みを解決

今回、我が家の事例は、
『玄関の上がり框による段差が不便』
『転倒の危険性が高い』
という悩みです。

福祉用具で解決できるとしたら
・置き型の手すりを使う
・スロープで段差をなくす
どちらかになると考えました。

ただ、おばあちゃんは普段から足が上がりにくく
室内はシルバーカーにすがって移動。
長時間の歩行は難しく、外出は車いすです。

以上の状態を考えると、
置き型の手すりは体重をかけすぎてしまうので不安があります。
それに、手すりを使用したとしても
おばあちゃんに上り下りさせるのは
ちょっと怖いなと思ったんですよね。

結論、段差自体を解消できるスロープがいいのでは?
ということで、スロープを採用。

折り畳みスロープを開いたところ

玄関の段差の上で車いすに乗り、
そのままスロープを下って玄関の外に出られるのは
おばあちゃんも楽でしょうし、
私たちにとっても安心です。

デイサービスはスタッフさんが送迎してくれますが、
病院には家族が連れていきます。

スロープを導入して
デイサービスのスタッフさんも私たちも
おばあちゃんを連れ出すのが
とても楽になりましたよ!
(おばあちゃんが出かける日は、必ず子どもたちがスロープを使って遊びます。笑)

【ポイント】段差の高さによってスロープの長さは異なります。
スロープを検討される場合は、段差の高さを測ったうえで相談するとスムーズですよ!

それぞれの家に合った最適解を選ぼう

結果的に、我が家は住宅改修ではなく福祉用具貸与で悩みを解決しました。
(使わないときはたたんでおけるスロープなら義父も納得でした)

完全バリアフリーを目指すのって並大抵のことではありません。
お金も時間もかかります。

建替えに伴ってバリアフリーを目指すのもいいかもしれませんが、
介護される側とその家族との意見が
必ずしも一致するわけではありませんよね。

住んでいくうちに
悩みが出てくる場合もあります。

必要な介護って
常に同じじゃありません。日々悩みは変わります。

我が家も今はスロープで落ち着いていますが、
そのうち別の問題が出てくるかもしれません。

そんなときは、
その都度都度で最適解を見つけていけばいいのかな
と思っています。

例えば、介護者であるあなたが、介護する環境で悩んだなら、選択肢はいくつかあることを覚えておいてほしいんです。
住宅改修してみるか、福祉用具で対応するか、
介護する側もされる側も、双方が納得のいく選択ができるといいですね。

今後も我が家の事例を紹介しつつ、突然介護が始まった人や介護初心者の人の悩みが少しでも軽くなるようなnoteを書いていきたいと思います(^^

▼この記事を書いた人▼

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