【映画】ジョーカー フォリ・ア・ドゥ
2024年11月8日
世界待望の“あの”ジョーカーの続編!
って大々的にやってた割にあっという間に1日の上映が落ち込んだ本作。
自分の例に漏れず、公開直後に駆け込んだ人たちの感想をみて、IMAXでいくぞ~て息巻いてたけど、その感想たちをみて「あぁ……」って思ってしまっていたので、特段公開からかなりの間見に行けてなくてもいいかな。って思ってしまっていた。
ただ、あまりにも仕事が落ち着いたうえで余裕もあったので、供養のために見に行くことにした(見たうえでボロクソに言うため)。
まー、まず前作での快感を期待するとてんで駄目ですねこれ。
ジョーカーの話ではないんじゃないかなぁ、これ。って思ってしまって良くない。これはバットマンの悪役であるところのジョーカーの文脈でないとやれない。ってわけでもない内容だなぁって思ってしまったのが1つ。
そしてミュージカル気味。っていう論評を聞いていたのでそれについては良し悪しというかもともとそういう覚悟で見に行っていたので特に気にならなかった。と、いうよりかなりの部分をBGMのパワーで見せている所が非常に多くて、映画の演出をサボるな。って思ってしまった(当然それ含めて映画であるという意見もある)。
バットマン映画の空気感を求めていたので、そこと比較するとあまりにもBGMで人物の心象を代弁させるの多すぎる本作は世界観に合わんだろ。って思ってしまった。
前作の続きとして、アーサーが収監されたところから始まり、精神状態がアレな状態だったので、責任能力の有無を求める裁判を進める形で物語は進む。
裁判を進める途中、アーサーの中のジョーカーに興味を持ったレディー・ガガが近づいてきてジョーカーの再起を期待し引っ掻き回す。
そして最後、アーサーは自分の中のジョーカーに打ち勝って罪を認める。
という流れで進み、精神が死んで体も死んで、社会に求められた“ジョーカー”が死ぬ。という演出を持って幕が落ちるんだけど、全体の話の流れの説得力はまぁ~上手い。さすが金の掛かった映画だ!って感じなんだけど、つまるところ教育ビデオな所がずっと抜けない。「悪い事しましたよね?」「その自覚はあるよね?」「じゃ、そしたら罪を償いましょう」って。
前作ではアーサーの中の闇であるところのジョーカーの行動を全肯定しながら、周囲の狂気を増幅させながら進めるから「おっほ~、たまんねぇなこりゃ!」って思いをしながら見れたんだけど、今作に関しては先達から上がってきてた評価で「馬鹿につける薬」「お調子者を諌める」っていう所がガッチガチに映画に滲ませていて、俺はこんなジョーカー見たくなかったよ。って凹んでしまった。
また、ジョーカーを復活させるキーとしてのレディー・ガガなんだけど、明らかにこういう役どころで必要な色気がねぇ。
おまえヒロインだよな?マジ?これで?って思ってしまった。「おっ」ってやっとなったのは最後の最後、本当に最後の裁判シーンでのハーレイメイクで出てきたときくらいなので、正直配役としては良くなかったんじゃ。
前作込で見て、面白い映画か?って問われると、前作で終わってたほうが良かった。と即答できる第2弾と考えるとかなりの失敗作なんじゃという思いが抜けない。
ミュージカルな部分本当に不要だったな。って思うし、最初のアーサーの護送シーンでカラフルに4色に分けられた傘見た瞬間、「あぁ~、これは舞台です。って宣言されたからそう見なきゃ駄目だ。」ってなった。
もうその時点であまりにもNotformeなんですよな。
ミュージカルBGMに関してもメジャーどころで押さえられていたので曲がわからないっていうことは無かったんだけれども、残念ながらそこまで英語ができるわけではないので、歌詞に込められた、その裏の意味まで拾う余裕はないのよ。ついでに言えば字幕に出てくる歌詞そのものがそのまま心情だったら歌わないでもらってもいいですかね?
あとこれ、ちょっと日本語の曲でやってもらっていいすか?
って感じの不満がぶしゅぶしゅ音を立てていた。
そんなこんなで見ないという選択を取らなかったことだけは後悔がない映画。という感じになりました。
それ以外は正直“ジョーカー”という役どころに求めてた期待では無かったのでオール不満というところでしょうか。
あ、あとこのレベルの映画で終盤で爆破オチ用意するとは思ってなかったので呆気に取られてしまった。あまりにも雑な脚本すぎて悲しささえ覚えた。ある種のコメディであれば許されるんだけど、これはジョーカーという巨悪を背負った作品なのでこのレベルの演出は許容の範囲を越えている。
以上。