【映画】きみの色 IMAX
2024年9月12日
山田尚子監督作品~。っていうだけで見るぞ!って決めていた作品。
バンド作品ものということで、公開すぐあたりから音響設備が良いシアターでの公開があるってことでそういうところを狙っていきたかったが、残念タイミングが合わずで、普通にIMAXで。
とはいえIMAXでややの音響の不満感を覚えてしまったので、今回行ったところのIMAXは今後期待しないで行こう。と思った次第。映画の出来ではなくシアターのパワーが足りてねぇ。って思った。
そしてパワーとかなんとか抜かしつつ、内容はパワーと言う言葉に縁遠い作品。
現実にほど近いフィクションの空気感を切り取ってきたアニメーションそのものであった。
これですよこの感じ~~~。
まず背景のグラフィックパワーが強い、強い色を使わずビビットな感傷に仕上げるアニメーション技法が強すぎる~。
ストーリーラインもはっきりしていて大枠の形状は固まっているけどシーンごとのミクロな視点で紡がれる物語の柔らかさがハチャメチャ仕上がっている~。
ここまで何言ってるか自分でもよくわかんないんだけど、見た感想としてはこれ何だよな。
そしてカット割りの登場人物の顔の映し方、配置の仕方、登場人物の心の位置がどこにあるかを表現するシーンの選び方。完全に目の奪われ方が監督の手のひらの上~。
中年に差し掛かった、自分から見ると大したことのない思春期の悩みを持った登場人物どうしの交流をここまで露骨に脳髄にぶち込んでくる劇は体の芯に効く。
眩しすぎてボコボコにやられて前が見えねぇ。
アニメーション作品とは思えないほどにカメラの位置がシーンごとに予定調和すぎてやばい~。
登場人物3人の鮮やかな青春を切り取って覗き見する作品であったなぁ。と思う。
ただ、全編とおして100分という作品なので、終わりに差し掛かったときに終わらないでくれ。おわらんでくれこの世界。って思ってしまったのがちょっとアレか。
多分劇中で、トツ子ちゃん、きみちゃん、ルイ君の掘り下げが、わりかしあっさりしていたところかとそういうところは物足りないなぁ。と思った。
おそらく尺的にそこのまわりのお話はまっさらにしたんでなかろうかと思うところもあったので、それは映画への向き合い方の違いなので正解が無いところ。
十分魅力的なキャラクターたちではあるんだけれどやはりきみちゃんとトツ子のもうちょい日常でもくれれば満足できたんじゃないんだろうか。
また、エピローグもED後のインターネットの反応でしか無いところもややパンチとして弱かったのかもしれない。
か、彼らのその後をみたいわッ!っていう強欲さに目覚めてしまうので、やはり幕切れはアレで良かったのかもしれない。
青春を切り取る映画としては大満足だったし過不足なかったので、やはりこれ以上の彼をもっと知りたいというのぞみはアニメーションとしての完璧さをほころばせる要求になるのだろうなあ。
以上。