アルコール依存性の女 夫と酒
28歳の冬に10年間交際した恋人と結婚した。
新しい生活が始まろうとしていたが、それでも飲み方を改めなかった。
新居を決め、引越しの日取りも決めた。お互いの実家から近い場所への転居だったので、業者には頼まず自分たちで荷物を運ぶことにしていた。
引越しの前日、私は友人と飲みに出かけた。明日は大事な日だから早く切り上げよう。そう思っていた。もちろん無理だった。
この日のことは殆ど記憶に残っていないのだが、泥酔し終電に間に合わず帰宅できなかった私に夫は激怒し、でも車で迎えに来てくれたことを覚えている。
たしか友人と飲んだあと路上で出会した男性と2人で飲みに行き、別れたあと1人でフラフラ夜の大阪ミナミを彷徨っていた、んだと思う。
翌日、二日酔いで荷物を運び出し、なんとか引越しは無事に終えることができた。
しかし、それ以降も酒でのトラブルが絶えず続いた。酔って夫に絡み喧嘩になるのは日常茶飯事で、飲みに行き朝方に帰宅することも珍しくなかった。
我慢の限界を超えた夫は役所から離婚届を貰ってきた。本気ではなかったみたいだが、同じことは2回起きた。
夫は全く酒を飲まない人だった。
少量でも飲むと顔が真っ赤になり、気分が悪くなるらしい。そんな夫は酒飲みの気持ちなど到底理解できず、会社の飲み会にも参加したがらなかった。「君が酒で使ったお金で車買えるよ」とよく言われた。
すごい2人がくっついたと思う。
そしてこの時期から、私はある場所へ1人でよく飲みに出かけるようになった。
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