その矢の行方
寿木けいさんの『泣いてちゃごはんに遅れるよ』を読みました。
本屋さんでたまたま目にした表紙が忘れられず、ほしいものリストに入れておいたところプレゼントしていただきました。
寿木さんが料理家であることや、あの『きょうの140字ごはん』の人だとは知らないまま読み始めました。
出てくる言葉の一つ一つが、生活の風景の一場面一場面がどれも鮮やかで、過酷で。
おしゃれで自然で博学で美しく流れていく文章がとても心地よかったです。
こんな文章が書けたら幸せだなと思いました。
ただ、出版社で働いていた人、なんでも自分で決められる人、家のことをきちんとする人なんてそんな薄い情報だけで、あ~これは強い女~と思い込んだことをすごく後悔しました。
人それぞれ胸に秘めていることがあって、傷があって。
素敵な日々を過ごしていそうでも、その素敵を維持するために力を込めて踏ん張っていたりもするんですよね。
私はそれを『おしっこちょっぴりもれたろう』で学んだはずなのに!
自分の頑張りだけでは変えられないこと、何年経っても心臓を裂く鋭利な記憶。
ラミネート加工の表面だけを見てすぐあの人はいいなって思っちゃうからね、良くないですね。
どんなに憧れてスタイルを真似ても、同じ道具を使ってみても、決してその人にはなれないということを強く思いました。
という感想をぎゅっとまとめてツイートしたらじわ~っと伸びていました。
寿木けいさんにも見て頂けて恐縮しています。
『愛しい小酌』も読みたいし、今度こそ自分で買うぞ!
なぜなら私も毎日頑張ってるからだ!
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