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【読書】『野心のすすめ』読了。もっと早く出会いたかった一冊

noteやvoicyで活躍されている尾石晴さんが9月に初のエッセイ『からまる毎日のほぐし方』(扶桑社)を発売されました。

これまで尾石晴さんが出版した本はすべて読んできたし、voicyも聞いている。初のエッセイということで、心の内を少し知れた気がしてなんだか晴さんに近づけたような気分になった。

そんな、私の人生の先輩(勝手にそう思っている)である尾石晴さんが『からまる毎日のほぐし方』で紹介していたのが、林真理子さんの『野心のすすめ』(講談社)である。

尾石晴さんが、林真理子さんのことを人生の大先輩だと紹介し、晴さんが紹介していた『野心のすすめ』の一文をみて、ビリリと電気が走るような感覚に陥った。

二十代で頑張った結果は三十代の人生に反映されるし、三十代に努力したことは四十代の充実感にそのまま比例します。四十代になってから、他人を羨ましがるばかりで『どうせ私なんかパートやるしかないじゃん・・・』と怒るのは間違っているんです。

野心のすすめ p138 
林真理子

この文章を見て私は、「この本絶対読みたい。」と思った。まるで、40歳になることを恐れている今の私のことを言われているみたいに感じたからだ。

と同時に、この本を読んだら、どうにかなってしまいそうなそんな感覚を持ちながら、それでもこの本を読むぞ!という強い決意を持って、ママチャリで本屋に向かった。

これが、私と林真理子さんの『野心のすすめ』との出会いとなった。


林真理子さんの『野心のすすめ』は2013年4月に発売。なんと11年前ではないか!!
11年前に発売されているこの本の内容が、今の私にグサグサ刺さる。

私は普段本を読むとき、また読み直したい場面や印象に残った文章に付箋を貼るタイプで、本を折ったり、ラインを引くことはほぼほぼない。
(もしかしたら、この本を手放すときが来るかもしれないとどこかで思っているのかもしれない。)

しかし、この本は違った。

『野心のすすめ』には、派手な黄色の蛍光ペンでラインを引いてしまうほど、この本を読み尽くしたいと感じたのだ。この感覚も不思議な感覚だった。
本を汚したくなかったこの私が、自ら黄色の線を引いてしまったのだから。

私が線を引かずにはいられなかった文章をここに残しておきたい。

三十を過ぎて「無知の知」ということにようやく目覚めたのです。「無知の知」とはソクラテスの有名な教えですね。自分が何も知らない、ということを知っている人間は、自分が無知であることを自覚していない人間よりも、もっといろいろなことを知りたい、学ばなければならない、と思える点で勝っているのです。

野心のすすめ p22

人生には、ここが頑張り時だという時があります。そんな時、私は「あっ、いま自分は神様に試されているな」と思う。

p64

運というのは一度回り出してくると、まるで、わらしべ長者のように、次はこれ、その次はこの人、と、より大きな幸運を呼ぶ出会いを用意してくれるのです。
しかし、ここで忘れてはなりません。雲の上から自分を見ている強運の神様の存在を。強運の合格点を貰うには、ここぞというときに、ちゃんと努力を重ねていなければならないことを。

p67

どうしたって女性は仕事を持って、働くべきだと思っているんです。専業主婦のリスクということではなく、人生の充実感や幸福のために。自分の仕事が積み重なって、ある日、何かの結果が出るという楽しさは、恋とか愛とかともまた違う、もっと人間的な深いところに根ざしている。

p130

人にはそれぞれ生まれ持った自己顕示欲の量があります。その数値が生まれつき20の人もいれば、80の人もいる。

p133

ちなみに、林真理子さんは130くらいあるらしい。すご。

他にも、残しておきたい響いた文章があるのだけれど、全部書くわけにはいかないので、気になる方がいたらぜひ読んでほしい。

いま、子育てや働き方に悩むママに、わたしにも【野心】あったんじゃん。って思い出してもらいたい。もしかしたら、林真理子さんの生き方に「私と全然違うし」と思ってしまうこともあるかもしれないが、だからこそ面白いと思うんだよね。

11年前に発売されたこの本を11年前に読んでいたら、もしかしたら今ある人生ではなかったかもしれない。そのくらい影響力のある一冊だと思う。

とはいえ、いまの私が読んだから、響いた部分があると思う。いま、【母】【妻】【一人の人間】として、さまざまな悩みを抱える自分だからこそ、このタイミングで読めてよかった。

私自身も、野心があることを思い出したいま、なんだかフツフツと行動を起こしたい気持ちが湧いてきている。そんな気持ちを思い出せたことがうれしいし、今後の人生の選択肢がたくさんあるということに改めて気づくことができた。

母はパート。大黒柱は父。といった固定概念が私にあったことにも気づかされた。私は私のやりたいことをやってもいいんだよねって。

それから、読書をもっとしたいという気持ちが湧いている。
野心のすすめにも書いてあったが、一冊の本を読むと、次はこれを読んで、次はこの本をとどんどん興味が広がっていく。
本当にそう思うし、実際にいま私は、尾石晴さんの『からまる毎日のほぐし方』を読んで林真理子さんの『野心のすすめ』を読んで、さらに、『成熟スイッチ』まで読み始めている。

私の知らない世界を読書が教えてくれる。その楽しさを知ってしまうと、読書がやめられないのだ。

読んでて楽しい本に出会えた時、あたりを引いたようなワクワクする気持ちになる。『野心のすすめ』あっという間に読み進められる一冊だ。

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