鳩さんとカラスさんの家
朝から公園に植木職さんの車とクレーン車が止まっていた。
男の人たちが、カラスさんの巣のある木を指差して色々話していた。
嫌な予感がした。
どうか、鳥達のおうちを壊さないでください、と祈りながら横になっていた。
生理の二日目で、ただでさえつらかったからだ。
どうにか遅い朝食兼昼食を食べて、あまりにも具合が悪いので、嫌な予感がして公園を見に行った。
カラスさんの巣がある松の木はおろか、つがいの鳩さんが暮らしている木も、みんな切られていた。
カラスの鳴き声が、遠くから今でも聴こえている。
巣を奪われた鳩さんが、巣のあった木の下を悲しそうに歩いていた。
確かに木の剪定は大切だ。
カラスは人間たちが害獣と名付けた。
でも、こんな冬の寒い季節に住む家を奪われたら、どんな生き物だって苦しかろう。
とてもつらい日だ。