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掌編というより小片と言いたい

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#おうち時間

雨の日にはキャンディを

雨の日にはキャンディを

 それが、雅巳なりの駄洒落だと気づく頃には、もう遅かった。
 雨が降りそうな日、雅巳はいつもキャンディを僕に差し出した。
「もう直ぐ降るから」
 なんで用意しているんだよ、とか、折り畳み傘の一つでも出してくれたらいいんじゃないの、とか、言いたいことは山ほどあるけれど、全部飲み込んで差し出されたキャンディを受け取った。見慣れた棒付きキャンディ。乱暴にフィルムを剥いて口に含めば、人工的なグレープの味が

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独り身オタ子の青い春

独り身オタ子の青い春

 青春とは綺麗に言ったもので、結局のところ病と大差ないのだろう。渦中はそれが世界の全てだと思い、過ぎ去った後は免罪符になる。あの時は青春だったのだと、レッテルを貼って仕舞えば、綺麗なまま取っておける。綺麗な、病気だ。
 そんなことを一人でぼやく私も、例に漏れず、青春という病の患者だ。厭な事に、本当に厭な事に。
 それを自覚したのはいつだったか、多分、心待ちにするようになってからだろう。彼のS N

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おなじもの

おなじもの

 私たちは、いつも二人で遊んでいた。
 お爺様の家の時計は、家の大きな柱にも負けない、大きくて立派な木でできている。鈍い金色をした振り子が、ガラスの向こうで大きく、規則正しく揺れていた。
「この振り子にしがみ付いて遊べたら、きっと楽しいと思うわ」
 大きな目で振り子をじっと眺めながら、沙耶が言った。
「ガラスを壊して仕舞えば、遊べるかしら」
「駄目だよ」
 私がそう言えば、沙耶は大きな目をゆるりと

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