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逆位置の月(12)

テラス席に座ろうと外に出た途端なんて青空が美しいのだろうと眩しさも相まって少し涙が出ました
確かあの時は4月初旬でしたから春の晴天でした
そして今までこんなに綺麗な青空を見られない状態にあった自分を思うとさらに涙が出ました
服と髪はともかく化粧もせず苺のフラペチーノをトレーにのせて突っ立ったままじんわり泣いている三十余りの女はさぞかし滑稽だったのでしょう、スーツ姿の人が数名チラチラ見ていきました
ですが私はそんなことはどうでもよかったのです

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