読書日記:同志少女よ敵を撃て 動機を階層化すること
戦争映画を観るのとは違い、読むのは難しそうだと考え、本を手に取るのを一瞬ためらった。
しかし、いざ読み始めると、戦争で親と村を失った主人公のセラフィマがどう生きていくのか気になり、苦なく読み進めることができた。
少女セラフィマは親と村を奪った仇を討つことを目的とし、狙撃兵として訓練を受け成長する。
その仇こそ当時の彼女の撃つべき”敵”だった。
狙撃兵の訓練を終え、作戦に参加する前。
教官イリーナに戦う目的を明確にせよと言われ、「女性たちを守るため」だとセラフィマ答える。
復讐のためだと内心では思っているが口に出せなかったため、目的の一つである「女性たちを守るため」と告げたのだ。
そして、戦争の中で復讐心を忘れず「女性たちを守るため」に撃つべき”敵”についても考える。
どんなラストを迎えるのか、読むのが楽しみだった。
また、戦後の狙撃兵の在り方について、二つのものを手に入れろと語られていた。
愛する人と生きがいだ。
それがとても印象深く心に残った。
戦後のセラフィマは、「戦争は女の顔をしていない」の取材を受けることを決める。
このタイトルの本があることを知っていた私は、機会があれば読んでみようと思った。
私は、最後セラフィマが手に入れたものをちゃんと理解することができていないかもしれない。
身近に読んだ人がいたら語りたい一冊である。