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あがなる ~癌がくれた母との蜜月時間~
花は命を誇り、種を蒔いて消えていった。朽ち落ちたあとには、また新しい生命が連綿と続いていくと信じて。花に寄り添って生きた小さな蜜蜂はしかし、花のことが忘れられずにいつまでも朽ち果てた花弁の辺りから離れることが出来ないでいる。いつ咲くとも知れない新しい生命になど何の興味も持てずに、古びた鉢植えの周りをいつまでも右往左往し続けているのかも知れない。
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