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旅芝居は、生きること(と、最近の色々も含め今の気持ちなど)

「能書きはいいんだよ。それより3000円でもいいから欲しい」
ある役者にハッキリとそう言われたことがあります。

当時私は学生あがりの、で、ちょっとライターとして食えてきだした頃でした。
旅芝居・大衆演劇にお熱で、芝居や舞踊など「芸」が好きで
当時はまだ一般的ではなかったSNSのブログなどで発信もして人気も出てきていて。
ある役者をとても面白いと思いました。
暗い目をして踊っていた役者でした。若くはない人です。
人生をあきらめているようなそんな空気、けれど技術はある、巧い。
本気を出したらすごく上手いだろうな、
もっといいポジションにいたらもっと輝くだろうな、
1客席からそんなことを思っていました。
いみじくも自分がそのスイッチを入れたいと。
そうして少し追うようになって。勿論、お花(ご祝儀)なんてしない。
自分はそんなことをしなくていい、
そんなお客さんたちとは違うという傲慢な気持ちがあった。
そんな時に言われたのが冒頭の一言です。

なんだかんだとお見送りで言葉を交わせるようになってきて、
冗談や多少入り込んだことも言えるようになってきた時分の一言でした。
だから私は言い返しました。
「芸で稼いだらいいやん!本気出したらいいやん!」
今でもそう思いますよ。私の本音です。
綺麗事ですが。絶対に不可能ではないと思います。思います(二回言う)

でもね、綺麗ごとだけじゃないんだよ。
旅芝居・大衆演劇には本当にいろんな人がいるんだよ。

その後よくよくよく知ることになりました。
知りたいと思った訳ではないのですが(笑)
この性分だからか、本音でぶつかってしまう
(??!←これ決していいことだけじゃないこと)ので、
いろんな人のそれを、よくよく知ることになりました。役者さんも、お客さんも。

(・・・という話を「旅芝居を書きたい」
「プロのライターになりたい」という数名のファンさんにしたら
「変わった役者さんもいるんですね」「私の好きな役者さんはそんなんじゃないです」
「私は見たいものだけ見ます」と言われたことも。えー。えー。うーん。
うん、でもそう思う気持ち思いたい気持ちもわかるし、そうだよねえ。
私もどや顔で他人のことを批判出来ないよねえ)

みんな舞台に生きているんだよ。今日も舞台に立っているんだよ。
例えば人に言えない過去や罪のようなものを背負っている人だって。
みんな白く厚く塗った化粧にいろんな気持ちや人生を塗りこめて笑顔で立っているんだよ。
日々、舞台に立ち、食べていく、生きていく。どんなことがあろうとも。
うん、そうだ、だからあんなにみんなきれいなんだ。

目下、世界中で大問題となっているウイルス問題。
旅芝居でも、旅芝居だからこそ、他人事ではない、大問題になっている。
ファンのSNSなどでは正直好き勝手(勿論悪意からの声ではないのですが)な書き込みたちが。
見るたびにちょっとしんどくなってしまう。
中には本気か冗談かわからないようなことを書いている人も居たり。
ヒステリーのように気持ちの押し付けを書いている人も居たり。
でも誰も悪くはない。(冗談で書いてるやつには腹が立つけれど)
でも、たたただ簡単に「休演(休館)したらいい」という問題ではない。
休演(休館)を決めたところは本当に苦渋の決断だったろうと思う。
だって、彼らの舞台は生活、生きることそのものなんだ。

まとまっていないのですが、そんなことを思い、
今はこんなことをここに置いておきたくなりました。

私たち客席の1人にはなにが出来るかな。
その答えも決して「これ!」というひとつではないように思います。
私も考えたい。皆で考えたいなと思います。

今はただ、なんとか! みんなみんなが無事におれますように、楽しくあれますように。
ちょっとずつでも。ちょっとでも。なんとか……!

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momo|桃花舞台
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