諸行無常「2024.11.13]
『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり』で、おなじみの『諸行無常』ですが、最近この言葉が胸に沁みます。
みなさんも学校の授業だかなんだかで、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
諸行無常とは、この世のすべてのものは、たえまなく変化しつづけていて永遠に変わらないものはないという、仏教の根本理念の一つです。
人間の身体も詳しく見ると、新陳代謝を繰り返し、細胞は3ヶ月もすればすっかり入れ替わってしまいます。
この歳になると、イヤなことも悲しいことも、いずれ大したことではないものになることも知っています。
なんだかわかったようなことを言っていますが、にわかですから、詳しいことはなにも語れないのですが。
若い頃のわたしは、負けず嫌いで、意地っ張りで、強情の塊みたいな生き方をしていました。
ちょっとしたことでイライラしたり、怒りっぽかったり、めんどくさいヤツだったんです。
私自身も得体のしれない苦しさを常に抱えていました。
いつも何かに追われているようで、がんばっていない自分を認められずにいたものです。
そんなときに、実はその原因が、自尊心の低さや劣等感がそうさせているのだと知り、ショックを受けました。
他人と比べることで自分をはかり、認められたい一心でひたすらがんばっていたなんて聞いたら、心当たりがありすぎて悲しくて心がポキッておれてしまいました。
がんばらなくてもいいんだとか、がんこにこだわっていたものなんて何の役にも立たないんだと知ってからというもの、心は静けさを保っています。
人間なんて悠久なものの中にある小さな点でしかありません。
2500年も前から連綿と伝えられている教えに救われ、執着している心に気づけたことで心はだいぶ軽くなりました。
仏教とか言うと堅苦しくて二の足を踏む人もいるかもしれませんが、私たちの根底に流れている東洋思想には、自分らしく生きるためのヒントがあふれているように思います。