【4463文字】一人目人事が入社後9ヶ月間で取り組んだこと
こんにちは!Flatt Securityで人事をしているももち(@momochi130)です。
今年の3月18日に入社し、早いもので9ヶ月が経過しました。2024年も残りわずかとなり、今年を振り返るには絶好のタイミング……!
ということで、今回は「一人目人事として取り組んできたこと」を自分自身の振り返りとしても公開します。
(この記事は「HR Community ひつじんじ Advent Calendar 2024」の22日目の記事です。)
Flatt Securityってどんな会社?
Flatt Securityは、Webプロダクト開発組織に向けたセキュリティ事業を展開するサイバーセキュリティスタートアップです。
私が入社した頃、全社メンバーは38名でしたが、現在は20名近くの新しい仲間を迎え、56名にまで成長しました。
チームは多国籍で、さまざまな文化や価値観を持つ人々が集まっています。
最初の3ヶ月間(3月18日〜6月17日)
採用データの可視化とATS導入見送りの決断
最初に取り組んだのは採用データの可視化です。私が入社した当初、一部の数値は可視化されていましたが、正確な選考の歩留率や各ポジションの採用進捗が採用計画と比べてどれくらい遅れているかを把握することはできていませんでした。
「ATS(採用管理システム)は早めに導入した方がいいよ」と人事の先輩方から助言をいただき、予算も確保していたのですが、自社の状況を整理した結果、導入は現時点では最適ではないと判断しました。
その理由は、大きく分けて以下の3つです:
採用活動で運用する媒体を絞り、特定の媒体に集中してハックすると決めていたこと(あらゆる媒体にログインする必要はなく、シンプルな運用が可能)
選考に参加する面接官は決まっており、権限設定も複雑ではないこと
翌年以降の事業計画を踏まえると、多言語対応や柔軟性を備えたツールの導入がより効果的だと判断したこと
弊社には日本語話者と英語話者がいるため、今後の展開を考慮すると、導入するATSは多言語対応が必要だと感じました。この要件を満たすためには、選択肢が海外のサービスに広がることになります。ここ数年、海外のHR Techサービスが続々と登場しており、「Vee by VISIER」のような新鋭のプロダクトが増えてきています。人事業務全体に対応できる柔軟かつスケーラブルなシステムが登場している中で、弊社の状況を踏まえると、ATSの導入は2024年ではなくてもよいと判断しました。
ATSの代替としてスプレッドシートを活用し、以下の機能を持つダッシュボードを構築しました:
応募者の情報を一元管理できること
あるステータスに達した際に対応が必要なTODOを自動で表示できること
各ポジションの採用計画に対して、進捗が計画通りか、遅れているのか、早まっているのかを月単位で確認できること
書類選考通過率、面接通過率、内定率などのデータを自動計算できること
採用費が自動で算出できること
採用経路ごとの効果測定が可能であること
タレントプールを効果的に運用できること
スカウト媒体の徹底的なハック
上記と並行して取り組んだのは、スカウト媒体の活用ハックです。スカウト文面のABテストに加え、「スカウト媒体における求人やスカウトが、候補者にどのように表示されるのか」「候補者がどのように求人情報に接しているのか」を再現しながら、求人ページやスカウト文面の内容をさらにブラッシュアップしました。
現在は、Googleアナリティクスも活用してスカウト活動の効果を計測しています。「リンク先のページがどのくらいクリックされているのか」「どれくらいの時間滞在しているのか」を収集し、これを基に改善を重ねています。加えて、面接での対話を通して得られた情報も活用して、候補者により響く内容へと洗練させる取り組みを続けています。
さらに、スカウト活動のPDCAサイクルを爆速で回すために、週次で計測を行える数値管理シートを作成しました。これにより、毎週、各施策の結果を振り返り、どの部分がうまくいっているのか、どこに改善の余地があるのかを確認できるようにしました。そのフィードバックをもとに、次週の施策に反映させることで、より効果的なスカウト活動を整えていきました。
次の3ヶ月間(6月18日〜9月17日)
バリューを新しくつくりなおす
組織が拡大し、事業フェーズが変わっていくと同時に、旧バリューの見直しの必要性を感じていました。そこで、経営陣を中心にバリューを新しくつくりなおしました。見直しの背景や新しいバリューに込めた思いについては、CEOの井手(@niconegoto)がnoteで発信予定です!
引越手当と近隣住宅家賃補助の制度改定
バリュー改定と同時に進めていたのが、引越手当と近隣住宅家賃補助の制度改定。もともと本郷三丁目にオフィスを構えていたのですが、事業拡大に伴う人員増加により、今年9月末に渋谷にあるセルリアンタワーに移転しました。
移転に伴い、以前から運用していた引越手当と近隣住宅家賃補助の制度改定が必要になりました。
制度改定に携わるのは初めての経験だったので、自分にとっては大きなチャレンジの一つ……!人事コミュニティで相談したり、社外の人事の方に直接相談したりして、形になりました。(ご相談にのっていただいたみなさま、ありがとうございました。)
制度設計にあたって、会社近辺=「終電を逃しても歩ける距離」と定義し、オフィスから自宅までの通勤時間(徒歩)が約30分であることを前提に、通勤時間による検証、通勤距離による検証を進めました。
検討の結果、路線に縛られず住宅を選べるよう、「対象地域」を設定することに。住居探しの負担と労務担当者の確認工数を軽減するため、Google Apps Script(GAS)で一定距離内にある町名を洗い出すスクリプトを作成し、対象地域の住所をリストアップしました。
新卒のサマーインターンの開催
バリューや制度改定と並行して進めていたのが、新卒セキュリティエンジニア向けのサマーインターンの開催です。SNSなどで告知した結果、サマーインターンには150名の学生から応募をいただきました。これは間違いなく、これまでのコミュニティへの還元活動の成果だと感じています。
サマーインターンは昨年から実施しており、セキュリティエンジニアのshopper(@dai_shopper3)が設計した内容が参加学生から好評だったため、今年も同様のコンテンツを採用しました。
エントリーいただいたみなさま、サマーインターンにご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
採用広報施策の一つ「Hello, Flattmate!」を始動!
サマーインターンの応募数にも表れているように、エンジニアへの認知度は一定程度獲得できている一方で、ビジネス人材やコーポレート人材向けの情報発信が十分ではないという課題がありました。
2024年には20名近くの新しいメンバーを迎え入れ、チームがさらに拡大し、さまざまなバックグラウンドを持つ仲間が加わりました。そこで、彼らの魅力を社内にも社外にも伝えたいと考え、その一環として最初に取り組んだのが「Hello, Flattmate!」という施策です。
ある日の経営会議で執行役員の豊田(@toyojuni)が「自分たちもインタビューをして記事を執筆しよう。みんなで取り組めば、4本の記事が出せる!」と提案してくれました。この提案のおかげで、専任の広報担当が不在の中(現在、絶賛募集中です!)、わずか3ヶ月で8本の記事を公開することができました。
12月までの3ヶ月間(9月18日〜12月17日)
内定式の企画
9月に入ってからは、新卒内定式の準備を進めました。Flatt Securityは新卒採用を実施しており、来年4月には5名の仲間が増えます!そこで、会社として初めての内定式を開催することに決定し、式次第の設計、内定証書のデザイン、ワークショップの企画を進めました。
内定式の様子はnoteを書きましたので、興味がある方はこちらをご覧ください。
オンボーディングの改善
11月から、新入社員向けのオンボーディングプログラムに「CEOが語る会」を新たに取り入れました。
組織が拡大する中で、CEOのメッセージが十分に伝わらない場面や、腑に落ちないことが増えてくるのではないかと考えました。そこで、「2025年はカルチャーに投資する年」と位置づけ、まずはビジョンを語る機会を増やすことを目指し、CEO自身が人生目標(= なぜFlatt Securityを創業したのか)や会社の目指す方向性について語る場を設けました。
併せて、オンボーディングプログラムに関するアンケートを実施し、プログラムの改善に取り組み始めました。
エンゲージメントサーベイの運用を効率化
次に取り組んだのが、エンゲージメントサーベイの運用改善です。月に一回エンゲージメントサーベイを実施しているのですが、これまで都度スプレッドシートやGoogleフォームを開いて確認していました。今は目視で確認することが可能ですが、長期的な視点で生産性を向上させる仕組みが必要だと感じていました。
そこで、Google Apps Script(GAS)を使って、特定の条件に当てはまった回答だけがSlackに自動で投稿されるように仕組みを構築しました。小さな取り組みですが、この仕組みによってエンゲージメントサーベイの結果を人事がリアルタイムで把握できるようになり、必要なアクションを迅速に取れるようになりました。
以上、私の9ヶ月間の取り組みでした。
最後に
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
サイバーセキュリティという未経験の業界で、一人目人事として過ごした9ヶ月間。自分の知らない専門用語が飛び交い、正直キャッチアップで手一杯でしたが(笑)、経営陣とメンバーの圧倒的な組織づくりへのコミットメントに支えられ、0から1を作り上げる取り組みを少しずつ前進させることができました。
現在、Flatt Securityでは全方位で積極採用中です!ご興味がある方がいましたら、ぜひカジュアル面談でお話ししましょう!
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