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読書感想文『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信著
あらすじ
夢想家のお嬢さまたちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリーの真骨頂。
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解説によると、この本は2008年11月に新潮社から上梓されたそうなんです。
今から(2024年)だと、16年前の作品ですね。
2008年だと、本屋大賞ってまだなかったでしたっけ?
あったら、これ、大賞でしょ!
そのくらい、面白かった。
けど
正直、読書家でない人だと、評価はちょっと厳しいかもとも思う。
悪くはないけど、🌟3つくらいの評価になるんじゃないかな?
私は🌟5つだけど。
やっぱりちょっと、漢字が難しいというか、読みにくい部分があったり、本に対する知識がないと面白さ半減する部分があったりするので、万人ウケする作品ではないのかも?とも思う。
ただ、物語、ストーリーはめちゃくちゃ面白かった。
ここんとこ、ミステリーばっかり読んでる私でも、面白いと思うくらい、あらすじにも書いてるけど、この作品の特徴は、その
語り口にあると思う。
ちょっと昭和チックな語り口。
でも、そこはみなさん、安心してください。
そこに関しては、読みにくいことはありません。
逆に、その語り口だからこそ、作品の世界観に入っていけます。
そう。私は、この作品の世界観も、すっごく良かった。
ミステリーでもあるんだけど、この作品もどちらかというと
サイコサスペンスだと思う。
でも、ここまで細かく、伏線というか、意味をもたせるっていうのかな?
これもあらすじに書いてるように、この作品は「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。が描かれてるんだけど、その文章構成が、すごく良くて、納得感がハンパない。
相変わらずうまく言えなくて申し訳ないんだけど
ストーリーの真相っていうか、それ自体は、よくある展開、オチだったりするんだけど、その言葉の意味というか、たぶん、裏の真実。もうひとつの意味。作家さんが、このポイントに気づいてほしいんだよなぁって隠してる部分があると私は思ってて、まぁ、単に深読みしすぎなのかもしれないけど、もし、私の深読みが当たってたとすれば。。。
『玉野五十鈴の誉れ』でのラストの一行って、そういう意味ですよね?
この作品は平積みされてほしいなぁ。
ミステリー好き、サイコサスペンス好きにはたまらない作品だと思う。
自分でも、よく、何千冊と棚に並んでる中からこの本を選んだなぁと思うくらい。
まぁ、16年前の作品ですから、しかも田舎の書店ですからね。
新作、話題作には敵わないのかもしれないけど、
ぜひ、一読されることをおすすめします。