読書感想文『流浪の月』凪良ゆう著
来月、映画が公開されるようです。
本屋大賞受賞作ですね。
めちゃくちゃ面白かったです。
でも、めちゃくちゃ面白かったのに、この作品はけっこう時間をかけて読みました。
私も面白い本は、一気読みしちゃうタイプなんですが、
この作品は、まさに『じっくり』読ませていただきました。
とにかく、
普通ってなんだろう?
常識ってなんだろう?
真実ってなんだろう?
優しさってなんだろう?
幸せってなんだろう?
本当ってなんだろう?
親子ってなんだろう?
恋ってなに?
愛ってなに?
そもそも、いろんなことに名前をつけなきゃいけないの?
それをなんて呼べばいいの?
どうして、赤の他人のことをそんなに知りたがるの?
どうして、全く関わりもない、なんなら迷惑すらかけていないのに、プライバシーも人格も、なにもかも晒されなくてはいけないのか?
今の時代の、あらゆる疑問が、この小説には凝縮されてる気が私はしました。
この本の解説をされた、吉田大助さんの言葉
凪良ゆうの小説を読むことは、自分の中にある優しさを疑う契機となる。その経験は、本当の優しさを知る一助となる。
と書かれている。
私は、本編に出てくる、谷さんこそがその本当の優しさを表してくれてるのではないかと思っている。
久しぶりに『重い』本だなと思った。
でも、とても読みやすかった。
だから、面白かった。
私も更紗と文のような関係になりたいなと思った。
たぶん、読まれた方の多くが同じように思ってるんじゃないかな?と思う。
言葉では言い表せない関係や、感情があるんだってこと。
無理矢理それに名前をつけたからって、なんの意味があるんだろう?
共感というには、あまりにおこがましいような気もして、
うまく言葉が出てこない。(単に文章力がないだけなんだけど)
本当は、映画も観るつもりだったけど、
ちょっと無理かな。
配役がどうとかじゃなく、映像はちょっとメンタル耐えられないと思うから。
わかりすぎて。
感情移入しすぎると思うから。今回は遠慮させてもらおうと思う。
そのくらい、この作品は素晴らしいってことです。
キャストもピッタリだと思う。
だから、もし、興味のある方はぜひ、映画でも小説でもいいので、この作品に触れてほしいと思う。
愛ではない。けれどそばにいたい。
私がほしいもの。ほしかったもの。
愛ではない。けれどそばにいたい。
それだけでいい。