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読書感想文『大人になったら』 畑野智美箸
あらすじ
35歳の誕生日を迎えたメイ。
「いつから彼氏いないんですか?」
「何が目標なんですか?」
失礼な後輩に憤慨しつつも、カフェの副店長として働く日々はそれなりに充実している。
毎日同じメニューを頼むお客さんも、そんな日常の一部だったのだけど・・・。
久しぶりの恋に戸惑う、大人になりきれない私たちの恋愛小説。
かなり、難しい読書感想文。。(苦笑)
私の文章力、表現力ではとてもみなさんに伝えきれないのが、なんとも悔しいのですが、それでもできる限りの思いを伝えたいと思います。
そのくらい、この作品は
とってもいい小説でした。🌟
初版から8回も重版されてるようなので、共感された方が多かったのでは?と思います。
まず、著者紹介からして面白い!
著者は、高校生の時にジブリ映画『耳をすませば』を観て、「大人になったら、小説家になる」と決めた。
とのこと。
その影響があるかどうかはわかりませんが、
この小説の背景が、とてもジブリ感を私に感じさせました。
主人公が働くカフェ『キートス』。フィンランド語で「ありがとう」という意味。
主人公の行きつけのバー『ストロボ』
その他にも、単なる風景、駅の改札だったりコンビニだったり、
日常の何気ない風景さえも、この方の文章によって、とてもうらやましい。その世界に入りたいと思わせてくれる。
まさに、『耳をすませば』っぽいのです。
そして、肝心の中身ですが、
これは、私は、
エール(応援)本
だと思います。
まぁ、35歳という年齢もキーワードではあるんだろうけど、35歳でなくても、
人生では、
ここ頑張らないと!っていう時と
ここを逃してはならない!っていう時と
ここで決断しないと!
っていう時が誰にでもあると思います。
この小説は、そんなみんなに主人公を通して、背中を押してくれる作品なんじゃないかなと思いました。
そう、『耳をすませば』の雫が頑張る姿をみて、自分も頑張ろうと思ったように。。
時代も、バッチリ?リアルです^^;
ちょっと古いとか、ちょっと昔とか、、じゃないです。
がっつりSNS時代です^^;
主人公メイは、カフェの副店長をして、1人で生活する分にはそれなりに不自由はしていない。
恋人はフウちゃん1人だけ。
そのフウちゃんには8年前に振られた。
メイ自身、恋人が欲しい、結婚したい、子供欲しい願望はそこまでない。
けど、このままでいいとも思ってない。
店長試験を何度も落ちてるうちに、受けるのをやめた。
このまま、副店長のままでもいいと思うが、果たして40歳になった時、自分より年下が店長になって、その下で働くことができるのか?
恋人も無理して欲しいわけじゃないけど、やっぱり1人でこのまま歳をとっていくことに多少の不安はある。
誰もがもつ悩みや葛藤を、日常を通して。
そして、メイの周りの人間関係を通して。
ほのぼのしてるようで、抑えるとこは抑える!という、このメリハリが効いてる。
ベタなようで、ベタじゃない。
そこがとっても私は気に入りました。
特に、終盤の展開は私の予想をいい意味で裏切ってくれました。
ありそうでなさそう。
なさそうでありそう。(どっちやねん?^^;)
な展開。
おすすめか?と聞かれれば、間髪入れずにおすすめです。と答えます。
まぁ、主に女性をターゲットにした小説だとは思いますが、男性のみなさんにもぜひ読んでいただきたい。
特に、人生で悩んでる方。
このままでいいのだろうか?
普通じゃない自分は落ちこぼれなのだろうか?
恋人のいない自分は欠陥人間なの?
そんなわけないですよね。
でも、私の言葉じゃ説得力ゼロだろうけど、この小説を読めば納得感間違いないと思う。
とにかく、ぜひ一度読んで欲しいです。