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1%の力
「1%の力」という本を繰り返し読んでいた時期がある。最後に読んでから5年が経つ。もう一度読んでみる前に、その時の気持ちのまま、感じたことを書いてみたい。
1%。
ちりも積もれば山となる。たかが1%、されど1%。ささいな1%、大きな1%。
丁寧に生きていくには、これがとても重要なのだ。
1%はシンプルでいて深い。
ごはんを食べて店を出るとき。「ありがとう」や「おいしかったです」を添える。
それだけで人の心に彩が宿る。光が灯る。
これは最近もちょっと気にしてやってみている。今日出会ったばかりの人とのご縁も、すごく輝いて見えるよ。
見るからに道に迷っているふうな人に出会った時に。一度素通りをしてしまったとしても、「声をかけてみよう」と1%の勇気を出して、足を止め引き返すことができるようになった。
「1%の力」を繰り返し読んでいた当時、私は、超絶「余裕のない私」であった。仕事がとてもとても忙しくて、余裕なんてなかった。その時は仕方なかったけど、でもそれはとても非効率なことだった。
そんな時、この本に巡り会った。
病院勤務だった私は、患者さんに「私の1%の力」を上乗せするような気持ちで接するようになった。「100%全力」と意識するよりも、「今の一生懸命に1%を上乗せする」と考えた方がうまくいった。
雑用的な仕事でも、やってもやらなくても変わらないような些細なことでも、見落とさず気がつくようになろう、丁寧に気を遣おう、という姿勢に変わった。
1回目に読んだ時に私の中でときめいたはずのこの本は、2回目に読んだ時にはときめかなくなっていて、私は驚いた。でもこれはいい意味だと思う。私は、本を再読した時、たまにこのような感覚を覚える。ときめかない、という一見ネガティブな感想を抱えながらも、本を閉じることなくさらりと最後まで読み切ったことははっきり覚えている。
本は、読むときによって得ることも感じることも違うんだ。だからおもしろい。
昔読んだ「1%の力」。間違いなく私の中に「1%」は定着していて、日常の中でその「1%」を意識するたびに思い出す本。もう何回目かわからないけど、また読んでみようかな。
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