【短信】国連安保理がウクライナ侵攻を非難決議もロシアが拒否、中国、インド、UAEが棄権【速報】
さて、今日3本目の無料記事ということで、なぜか大盤振る舞いになっているのだが、こういう日があってもいいだろうw世は、ネタで溢れているということだw
●速報的に、国連安保理決議でわかったことを●
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、国連の安保理が避難決議を行うことになったが、当然ながら常任理事国のロシアが拒否権を行使しご破算になった。
ここまでは予想通りの展開なので、改めて速報にする必要もなかったのだが、問題は投票を棄権した国が3つ出たことだ。つまり、今後第三次世界大戦へ発展した場合、連合国に対する枢軸国はロシアを中心に中国、インド、UAEという図式が浮かび上がってきたことになる。その為、速報で1本記事を書くことにした次第だ。
読売の記事になる。
ロシアが拒否権行使、安保理の非難決議案は否決…中国・インドなど3か国棄権
2/26(土) 8:18配信 読売新聞オンライン
【ニューヨーク】国連安全保障理事会は25日、ウクライナ情勢を巡る会合を開き、ウクライナに軍事侵攻したロシアを非難し、武力行使の即時停止と撤退などを求める安保理決議案を採決した。米欧など11か国が賛成したが、常任理事国のロシアが拒否権を行使し、否決された。
中国、インド、アラブ首長国連邦(UAE)の3か国が棄権した。決議案は米国とアルバニアが作成し、日本も共同提案国に加わった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4137f017fcdabfdf3ec58a3868d7bfbcef94365d
この結果、最も異質だと映ったのはインドだろう。
対中国であれば、実際に国境で戦闘状態にあるインドと中国だが、事がロシアになると矛を収め表向きは協調路線に入ったように見えるのが面白い。アメリカが主体となった中国包囲網クアッドにおいてはオーストラリア、日本と共に参加している為、アメリカはもちろんEU勢もインドは西側という認識にあったはずなので、ロシアに対する決議には乗らないという判断は衝撃を与えたかもしれない。
だが、クアッドはクアッドとして、インドも経済でネクスト中国を狙っている国の一つだ。何せ、人口を見れば中国に匹敵する規模を誇っており、市場としても十分に広大で、電子機器分野への投資もここ20年で飛躍的に伸びている。単に生産拠点として海外資本へ工場建設を誘致しているだけでなく、いつでも自国開発に舵を切れるよう密かに準備を進めている国だと言っていい。
目に見える部分はまだそれほどはっきりしてはいないが、中国がそうしていたように、インドはアメリカの権益を自分に持ってこようと企てている雰囲気はある。なので、アメリカが積極的にインドを安全保障の中心へ据えようとしても、どこか非協力的な態度を隠さなくなってきている。
今回の棄権は、何となくわかっていたインドの離反したい雰囲気が、はっきり形になって示された、というわけだ。
で、インドとロシアの関係の方だが、これがまた微妙なのだ。
産経の記事になる。
インド、露と密接な関係…苦慮するモディ政権
2022/2/24 19:40
【シンガポール=森浩】インドは、ロシアのウクライナ侵攻について目立った批判を手控えている。自由主義陣営のメンバーとして日米豪との協力枠組み「クアッド」の一角を占める一方で、ロシアとも伝統的な友好関係を維持しているためだ。モディ政権はロシアへの対応でどこまで欧米諸国と歩調を合わせるか苦慮する局面を迎えそうだ。
インドは国連安全保障理事会の会合(現地時間23日)で、ティルムルティ国連大使がウクライナ情勢に関し「地域の平和と安全を損なう可能性があり、深い懸念を表明する」と発言したが、ロシアを名指ししての批判は避けた。
インドは旧ソ連時代から軍事面でロシアとの関係が特に密接だ。2016~20年のインドの武器輸入の約半分をロシアが占める。18年には米国の反対を振り切ってロシア製地対空ミサイル「S400」の導入契約を結んだ。
印露首脳は昨年12月にニューデリーで会談し、軍事や科学技術など幅広い分野での連携強化で一致した。インドは中国との関係が悪化する中、軍備増強の重要性が急速に増している。ロシアとの関係が冷却化すれば装備品の調達に影響が出るとの警戒感が強い。
一方で、ロシアのウクライナ侵攻にまともに反応しなければ、欧米諸国からの風当たりが強まる可能性がある。印英字紙インディアン・エクスプレス(電子版)は「21世紀の新たな紛争が勃発する中、インドは戦略的に厳しい選択を迫られている」と指摘した。
https://www.sankei.com/article/20220224-KO2SHT7CVNKXRL76BY56LHSUCQ/
例えが適切かはわからないが、ロシアに対するインドの立ち位置は、ドイツに近いと思えばわかりやすい。どちらもロシアに頭が上がらないという意味で似ているが、両国の違いはアメリカと同盟を結んでいるか否か、だ。なので、ドイツは今回の決議に賛成し、インドは棄権を選択、と別れたわけだ。
で、このアメリカの同盟ではないインド、は今後の世界情勢でも何かと語られることになる命題だと見ている。インドのような力のある国が対中国なら西側にいるが、対ロシアはどっちつかず、は西側から見れば「困った」「鬼っ子」的な存在になる可能性がある。
何と言っても、インドも核保有国なのだ。そんな大荷物を背負ってふらふらされても・・・、ということなのだが、インドにはインドの事情がある。こればかりは仕方がない。
というわけで、ウクライナが紛争だけで終わるのかどうかが現状では最大の焦点だが、おそらくロシアが最終的に制圧して終結する形は変わらないだろう。
問題は、それだけで全てが片付くのか、更に次のフェーズが待っているのか、ここに焦点をあてて動向を見据える必要はあると言っていい。
そのカギを握るのはインドだ、と予想しておきたい。