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【梅園魚品図正】(19) 石斑魚(あいなめ)/梭魚(かます)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻1


石斑魚 アイナメ

癸巳五月八日
海魚類

『多識扁』
 石斑魚 アイナメ  四十 シゝリ 佐渡
 高魚
 石礬魚 『延壽書』
 アイナメ  アイモドキ 築州

考曰、アイモドキ、有江湖与比別物也。

※ 「築州」は、筑前国ちくぜんのくに筑後国ちくごのくに


梭魚 カマス

甲午八月十九日 真寫
海魚類

『和名抄』曰  鱮
   レン  シヨ  鮫魚サギヨ   [■は魚+夋]

カマス
すべ而、もろ々の苗生でき、魚の小なる者を皆 雑魚ザコと云。或、鰱魚タナゴハヤ [■は魚+竹+昴] の屬也。四つ手網を以て之を取る。『本草』に 鱮魚をタナゴと訓ず。梭魚に非ず。

『閩書南産志』曰  梭魚  カマス
 其形、似 梭、觜長身曲 云々。
 和俗、用   ヲ 

『料理綱目』 魳  カマス  梭魚
 其苗をイカナゴと云。筑紫方言。

※ 「すべ而」は、総而すべて総而そうじて
※ 「苗生でき」は、稚魚、幼魚のこと。
※ 「屬」は、属。

癸巳下春十有六日 真寫

此者を乾魚 ● メワカサギ と云と或人のい●き非是。ワカサギは、アマサギとも云々。江河、又、海にも生ず。若州三方みかたの湖に多し。江戸にもあり。形狀同而異あり。ワカサギは、身不 長。

※ 「非是」は、あらず。非是ひぜ
※ 「江河」は、大きな川のこと。
※ 「若州」は、若狭国わかさのくに
※ 「三方みかたの湖」は、三方みかた五湖ごこのひとつ、三方みかたのこと。


筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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