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ねずみの嫁入り(6)婚礼の儀

両家が揃った大広間で、晴れやかな婚礼の儀が行われています。中央に島台(松竹梅で蓬莱山をかたどったおめでたい飾り物)が置かれ、お祝いの挨拶が述べられます。綿帽子の花嫁ねずみは、介添えねずみから「被衣かつぎの綿をお取りなされませ」と促されています。
前回のお話はこちら ⇒「嫁入り行列

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出典:国立国会図書館デジタルコレクション『鼠よめ入 2巻


花嫁ねずみに寄り添う介添えねずみ

かつきのわたを おとり なされませ
被衣かつぎの綿をお取りなされませ)

どうも ●●●くしう ござります
(どうも ●●● くしう御座ります)

介添えねずみの脇には
銚子飾りをつけた屠蘇器が見えます

あれは はやく おなかに たまる
(あれは早くお腹にたまる)

●●にと いわつた ものそうな
(●●にと祝ったものそうな)

※ 文意を汲み取れないので、誤読しているかもしれません。

花婿ねずみと花嫁ねずみ
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わしらは としよりなれは
はんしを このみます
(わしらは年寄りなれば)
万事ばんじを好みます)

ずいぶん なかよくして下され
随分ずいぶん仲良くして下され)

島台の前で祝儀の言葉を述べるねずみ

おめでと □ ざります
(お目出度めでと □ 座ります)

壻方の姑ねずみ

よめごは よいきりやうでござる
嫁御よめごは良い器量でござる)

嫁方の舅ねずみ

まいるからは むすめを をぼしめ下さり
(参るからは娘を思召おぼしめ下さり)

まお●●を●
ずいふん けう/\に いたさせませう
(まお●●を●)
随分ずいぶん 孝行こうこうに致させましょう)

※ 「けう」は、けうと思われます。名詞:こう、孝行。

配膳する女衆ねずみ

口をきかずと ぜんをめ八ぶんに
もつてゆかさい
(口をかずと 膳を目八分めはちぶんに)
(持って行かさい)

※ 「目八分めはちぶん」は、物を丁重に差しだすとき、両手で目の高さより少し低くしてささげ持つこと。

配膳する女衆ねずみ

どなたから すゑるのだ
何方どなたからえるのだ)

あしもとをみて しづかに
(足もとをみて 静かに)

婚礼を祝う親族ねずみ

めでたい/\
目出度めでたい 目出度めでたい)

● い/\


続きのお話はこちら ⇒「出産・産湯

筆者注 ●は解読できなかった文字、□は欠字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖