【観音霊験記 秩父巡礼】第十九番飛淵山竜石寺/飛行の尊像 7 mominaina 2024年10月29日 06:39 出典:国立国会図書館デジタルコレクション『観音霊験記 秩父巡礼十九番飛淵山竜石寺 飛行の尊像』観音霊験記 秩父順禮ちゝぶじゆんれい 十九番 飛淵山ひえんざん龍石寺りうせきじ あめつきを 動うごかすほどの 竜石寺りうせきじ 集あつまる人には 利生りしやうあるべし奉額 出いでて見みよ 出でぬ身みは寒さむし 花はなの雲くも飛行ひぎやうの尊像そんぞう當寺たうじの境内けいだいは、龍宮りうぐう涌出ゆしゆつの灵場れいじやうにて、堂舎だうしやおよび歩行ほこうの地ちは大槩たいがい一枚いちまいの盤石ばんじやくにて、さらに塵土ぢんどをふまず。本尊ほんぞんは弘法大師こうぼうだいしの作さくにて、京洛みやこより飛とんで爰こゝに移うつり玉ひし尊像そんぞうにまし/\て、もつとも灵驗れいげんあらたかなり。※ 「飛行ひぎやう」は、仏語。六神通ろくじんずうのひとつ、神足通じんそくつう。空中を自由自在にかけめぐること。或年あるとし、天下てんか大おほいに旱ひでりして、萬民ばんみんの飢渇きかつまのあたりなれ。大師たいしに勅ちよくあつて祈いのらせられしに、大師だいし 摧肝かんたんを膽くだきて祈いのりければ、神泉苑しんせんえんより小竜しやうりう天上てんじやうする。同時どうじに此地このちの盤石ばんじやく二つにわれて、大竜たいりゆう 雲くもを起おこして発はつしければ、忽たちまち大雨たいう降ふりそゝぎて、人畜にんちく草木さうもくも蘇生よみがへり、五穀豊饒ごこくぶにようせしは、偏ひとへに大師だいしの丹精たんせいと觀音くわんおんの利益りやくなり。※ 「摧肝かんたんを膽くだきて」は、肝胆かんたんを砕くだきて。懸命に物事を行うこと。筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖 ダウンロード copy #古文 #空海 #弘法大師 #古文書 #飛行 #観音菩薩 #秩父札所 #観音霊験記 #観音霊験記秩父巡礼 #龍石寺 #飛淵山竜石寺 #飛行の尊像 7