江戸 浅草紫菜(あさくさのり)
江戸浅草紫菜
此のり元ト、武州品川の海に生ず。品川の町にて製したるを「品川のり」と云。「浅草のり」は、品川にて取たるを、此所にて製したる也。浅草のり、仕上げ宜しくきよらかにして、名物なり。
其外、下総の「葛西のり」、出雲の十六島、皆 名物也。猶、余国よりも多く出づ。通して、此 紫菜と云。
又、河苔と云も有。駿州富士川より出るを「富士のり」と云。下野日光山の川より出るを「日光のり」と云。肥後の菊池川より出るを「菊池のり」、同国「水前寺のり」、何れも河のり也。
品川の沖にて取のりの、ちぎれてへ磯打よするを、子供の仕事に之をすくひ取て、浅草の商人へ売也。
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