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ねずみの嫁入り(7)出産・産湯

嫁御ねずみがちょうど出産を終えたところです。産婆ねずみは、生まれたばかりの赤ちゃんねずみを産湯うぶゆにつけています。隣室に控える夫ねずみと舅ねずみは、母子ともどもの健康を喜んでいます。
前回のお話はこちら ⇒「婚礼の儀

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出典:国立国会図書館デジタルコレクション『鼠よめ入 2巻


出産を終えたお母さんねずみ

あい おくすり あがりませ
(あい お薬 上がりませ)

産湯につかる赤ちゃんねずみ
赤ちゃんを産湯につける産婆ねずみ

がんぢやうな よい お子じや
(頑丈な良いお子じゃ)

お湯を運ぶねずみ

やく神わ しぐさ めでたい
疫神やくじん仕草しぐさ 目出度めでたい)

※ 誤読しているかもしれません…。

出産に安堵する夫ねずみと舅ねずみ

うゐざんには かるくて しあわせな事かな
初産ういざんには軽くて幸せな事かな)

ちこゝろも なきそふで ござります
血心ちごころもなきそうで御座ります)

※ 「血心ちごころ」は、分娩後の産婦にみられる出血のこと。

里から届いた産着を運ぶねずみ

おさかなを はやく/\
(おさかなを早く早く)

おさとから うぶきか きました
(お里から産着うぶぎが来ました)

後産の対処をする女中ねずみ

ゑなは とうするものだ
胞衣えなはどうするものだ?)

よく水 をほへて ござい
(よく水 おぼえて御座い)

※ 「胞衣えな」は、胎児を包んでいた膜や胎盤など、後産あとざんで排出されるもののこと。
※ 「おぼえて」は、誤読しているかもしれません。

三方に米をのせて運ぶ女中ねずみ

こめをしんぜます
(米をしんぜます)

煎じ薬を作る女中ねずみ

二ばんせんじもよい
(二番煎じも良い)


続きのお話はこちら ⇒「お宮参り

筆者注 ●は解読できなかった文字、□は欠字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖