【梅園魚品図正】(57) 河豚(きんめふぐ)/黄顙魚(ぎゞ)
河豚
キンメフグ
雜魚の中に入て得之。其形、少し小さし。大なる者も有るべし。
黄顙魚
『本草綱目』 黄顙魚
ギゝウ
ギゝ
カラガキ 丹州
アガリコ 越前
サイタンボウ 江戸
集説、河生の黄顙魚の條下に出。
河海に産る䱀魚、皆其鰭鋭利也。是に觸れば、痛燎が如し。大なるは、尺余の者あり。江湖に産ず。赤色の者を「蜂フグ」と云。蜂は人を刺す故に名く。
似 鮧魚
白筋斑ある者を「ギンギヨウ」と呼。則、此者也。武州羽根田の沖、及び、なま麥霍見川に多産。
※ 「丹州」は、丹波国。
※「江湖」は、川と湖のこと。こうこ。
※ 「なま麥霍見川」は、生麦鶴見川のことと思われます。「霍」は、鸖。
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筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。
また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ
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