海膽（うに）

海膽（うに）

出典：国立国会図書館デジタルコレクション『日本山海名産圖會 5巻 [4]』

海膽うに　一名　霊●子れいるいし

是、塩辛しほから 中ちうの第一とす。諸島にあれども、越前、薩摩の物、名品とす。殻円まるうして、橘子たちばなのごとく、刺とげ多くして、栗の●いろに似たり。住吉すみよし、二見ふたみなどの浜に、此刺はりを削りて小児せうにの  弄物もてあそびもの  とす。形かたち 鐙兜かぶとに似て、其その 口くち 殻からの正中まんなかにあり。また中うちに漆うるしして器物きぶつとす。肉は殻に満みつることなく  甚はなはだ  微少すくなくして、膏あぶらあり。海人かいじん塩に和くわして酒■さかな[■は肴＋殳]の上品じやうひんとす。尤もつとも　黄に赤きを帯おぶるをよしとす。大村、五島、平戸の産を賞す。紫黄なる物は薩摩島津の産なり。和潤やわらかにして、香●にほひ  甚はなはだ  勝まされり。越前の物は黏粘ねばりありて、光艶つやも他に超こへたり。又、物に調味しては味噌にかえへて一格の雅味がみあり。海膽焼うにやき、海膽田楽うにでんがくなど、好事こうずに●せてしかり。

越前海膽（えちぜん うに）

漁捕ぎよほは、海人かいじん干潟ひがたに出いで、岩間いわまにもとめ、即すなわち  肉を採り、殻を去りよく洗ひて、桶に収めて、亭長とひやに送る。亭長、塩に和して售うる。

ウニとは、海膽うにの転じたるなり。又、一種  ●貝●●●●●  と云物、此この種類にして別なり。

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炒り雲丹ごはん
Photo by mominaina

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