都市鉱山に行くはずだった西陣織のキラキラ糸端を生まれ変わらせたはなし。
はーっ……なんと美しい……!
こんなキラッキラな織物があるんですねぇ(感嘆)
この動画を制作されたのは「西陣 岡本」さん。過去にマスクを購入させて頂いたところです。
えっ!? あのキラキラな布地の端っこを売ってくれるんですか!?
――というわけで購入しました!
ってか都市鉱山送りにされるのは機械類だけじゃないんですねぇ。確かにホンモノの金箔を使ってるから「それをすてるなんてとんでもない!」のは当然か。
引箔の糸端到着
届いた糸端は1袋につき3mぶん。細く切断された引箔が「コワ」という糸で辛うじて布地から切り離された時の状態を保っている、という感じ。
そして引箔の裏面は「思ってたよりも紙」でした。
これならカルトナージュ用のホットメルト紙で問題なく裏打ちできそうです。
糸端の裏打ち
ミニアイロンなど色々出してきて糸端の裏打ちを試してみます。
コワを切った糸端を裏返してクッキングシートの上に置きます。
そして引箔の一片一片が綺麗に並ぶよう慎重に整えます。難しい作業!
ホットメルト紙を糊面を下にして重ね、コワを引き抜きます。
ホットメルト紙の上から中温のアイロンを掛けます。
――と、ここまで書いておいてアレですが、この時の裏打ちには失敗してしまいました。
コワを引き抜いた際にせっかく整えた引箔がグチャグチャになってしまったからです。
そこで、クッキングシートに載せる段階ではコワを切らず、アイロンを掛けてからホットメルト紙が熱いうちにコワを引き抜いたところ、引箔がバラバラにならず綺麗に裏打ちできました。
糸端を厚紙に貼る
糸端の裏打ちに成功すれば、その後の加工はアイデア次第。
一番簡単なのはレジン封入でしょうが、せっかくの本金箔をレジンに沈めるのはなんとなく抵抗あったんですよね……。
できればキラキラ部分を全面的に活かしたいのですが、実物を見るとけっこう幅が狭い。
そこで思いついたのが細めのポニーフックです。
通販したポニーフック金具が届いたら、厚紙と裏打ち済みの糸端を切り出します。
厚紙のサイズですが、長さは金具より少し長め、幅は糸端のキラキラ部分で表面すべてを包めるぐらいにしました。
ポニーフック金具にはカーブがついているので、厚紙も曲げる必要があります。そこで厚紙の裏面にカッターで切り込みを入れました。
製本用ボンドで糸端を厚紙にしっかり貼り付けます。
このとき、内側に折り畳んだ部分は厚紙に完全にはくっついていませんし、微妙な重なりのせいで接着されなかった引箔が浮いています。
いったん乾燥させてから爪楊枝を駆使して細かいところを接着。
もう一度乾かすと、今度はホットメルト紙が露出している部分が気になりました。
そこで、裏打ちに失敗した糸端から引箔を1本1本抜いて余白を埋めました。
カーブの内側には目隠しとして製本用クロスを小さく切って貼ります。
パーツの組み立て
再びしっかり乾燥させたら、いよいよポニーフックの金具を接着します。
G17接着剤を接着面に塗って15分置き、ポニーフック金具のカーブに添うよう圧着します。
仕上げとして引箔が見えている部分にニスを塗ります。
ポニーフックを着ける際はどうしても手や髪に触れるので、糸端の剥がれや汚損防止のための措置です。
さあこれで完成――かと思いきや問題発生!
厚紙の切り込みが足りなかったことで、ポニーフック金具の端が浮いてしまいました。
隙間にG17接着剤を追加しましたが、どうにも密着してくれません。
最後に頼れるのはやはりレジンか……。
少しでも接着剤の色を誤魔化すためにマットタイプのコーティング用レジンを金具が浮いたところに載せ、指で厚紙パーツを曲げて密着させながらライトを当てて硬化。
その後は裏面全体にコーティング用レジンを塗って硬化させました。
完成!
まる一日置いてニスが完全に乾いたら完成です!
母に「雅な出来になったねぇ」と褒められました。途中いろいろなトラブルこそありましたが、キラキラの糸端が思い描いたとおりのポニーフックに生まれ変わってくれたので満足です。
また、完成写真をXに投稿しましたので、西陣 岡本さんからコメントを頂けました。
今回の製作に使用したのと同じタイプの糸端が明日(24/06/07)再販されるので、使ってみたい方要チェックですよ!
今後作ってみたいもの
今回のポニーフックの引箔違い
大きめのポニーフック
マジェステ
ブローチ
ぜひ作りたいのが1. ! 西陣 岡本さんが別タイプの引箔の糸端を販売してくださるなら買います!!
2. 以降はキラキラ部分と漆の黒部分を上手い具合に配分したらシックなアクセサリーになりそうです。あとやっぱり別タイプの引箔を組み合わせたやつが作りたい!
西陣 岡本さん、どうかご検討よろしくお願いします……!