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キネマ旬報 ベストテン&個人賞 2024年 第98回
2/5発売の『キネマ旬報 2025年2月号増刊 ベスト・テン発表号 No.1957』で日本映画ベスト・テンと個人賞の選出に参加しています。
私が挙げた10本と、個人賞ならびに選評は下記の通りです。
【ベスト・テン】
夜明けのすべて
化け猫あんずちゃん
HAPPY END
悪は存在しない
違国日記
Cloud クラウド
ナミビアの砂漠
箱男
狂熱のふたり ~豪華本「マルメロ草紙」はこうして生まれた~
Super Happy Forever
不意に生が死へ接近する。あるいは死が生を変貌させる。時間や空間と共にそれらを丁寧に描いた映画たちを挙げた。多彩な作品が多い年だっただけに、もう1枠投票できるなら、①Chime②水深ゼロメートルから③新米記者トロッ子④ルックバック⑤ブルーピリオド⑥ぼくが生きてる、ふたつの世界⑦ラストマイル⑧辰巳⑨青春ジャック⑩赤羽骨子のボディガード、という選出もありえた。黒沢・石井が気を吐いたが、ベテラン監督たちの奮起を望む。
【個人賞】
監督賞:三宅唱 (作品:夜明けのすべて)
脚本賞:いまおかしんじ(作品:化け猫あんずちゃん)
主演女優賞:河合優実 (作品:ナミビアの砂漠)
主演男優賞:松村北斗 (作品:夜明けのすべて)
助演女優賞:忍足亜希子(作品:ぼくが生きてる、ふたつの世界)
助演男優賞:高橋文哉 (作品:ブルーピリオド)
新人女優賞:早瀬憩(作品:違国日記)
新人男優賞:大美賀均(作品:悪は存在しない)
三宅唱は早くも円熟を見せ突出。脚本賞は、船頭が多い中で、いまおからしい人物造形や地獄描写が見事にアニメへ昇華。加害者であり被害者でもある視点を併せ持つ人物像を巧みに表現した河合優実と松村北斗に主演賞。助演賞は当事者配役という点では対照的だが共に優れた表現を見せ、双方の可能性を提示。奥平大兼、火野正平、髙石あかりにも未練が残る。新人賞は、たどたどしさと、ぶっきらぼうな姿が得難い魅力となって映画へ力をもたした2人に。