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「学芸本ガチャ!」のサンプルコード公開【Möbius Open Library Report Vol.23】
電子ブック利用促進・読書推進企画「学芸本ガチャ!」の取り組み
東京学芸大学附属図書館では2022年8月から、ガチャガチャを使って普段読まない本との出会いを促すことを目的とした「学芸本ガチャ!~読書の世界を広げよう!~」という企画を、定期的に様々なテーマで実施しています。
企画の経緯
東京学芸大学附属図書館(以下、当館)では、コロナ禍(2020年)において電子ブックを拡充し、2024年4月現在約1万5,800タイトルを提供しています。ですが、その利用は少なく、利用促進が課題でした。加えて、電子ブックに限らず、学生には自分の研究分野に関係なく、様々な本を読んで欲しいという思いがあり、本を手に取ってみようと思わせるインパクトのある仕掛けはないかと模索していました。
そこで着目したのが「ガチャガチャ」でした。ガチャガチャは、景品入りカプセルがランダムに出てくるおもちゃです。このガチャガチャが持つ、何が出るかは分からないワクワク感を使って、本との出会いを実現できるのでは!?と考えました。オンラインのガチャガチャと電子ブックを掛け合わせることで、電子ブックの利用促進につながるのではないかという期待をし、本企画を実施することになりました。
企画の概要
本企画では、「リアルガチャ」と「オンラインガチャ」の2種類のガチャを設置しています。
■リアルガチャ
リアルガチャは、段ボール製のガチャで、平日の8:30-17:00の間に館内で自由に遊ぶことができます。カプセルの中には本の情報を書いた紙を入れ、学生が自ら棚から本を探すよう促しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1735180500-rnilUfKx5IyhpAgo7FN4bd6E.jpg?width=1200)
■オンラインガチャ
オンラインガチャは、当館のウェブサイト上に設置した電子ブックが入った当館オリジナルのガチャガチャです。これは、HTML、CSS、JavaScriptを用いて一から作成しました。インターネット上で使えそうな無料のツールを探したのですが、汎用性の高いものを見つけることができず、だったら作ってみよう!ということで図書館職員が自作をしました。ガチャガチャを回すと、当たった本のOPAC(蔵書検索)上の資料詳細ページが表示されるようになっており、電子ブックへのアクセス方法を知ってもらう機会にもなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1735180726-deuPAmZkaDUt2szirE4G1VIh.png?width=1200)
企画の効果
これまで、7回にわたって「学芸本ガチャ!」企画を実施してきました。学生からは、「普段は見ないジャンルの本に出会えて楽しい!」「電子ブックを読んだことがなかったが、この企画でいろいろな種類があるということを知れた」などの反響がありました。
そして、電子ブックの利用促進については、電子ブックの閲覧数を見てみました。まだまだ全体の閲覧数は少ないですが、本企画を実施する前と比べると、実施中にグッと増加している様子が見て取れました。本企画が電子ブックの利用促進につながっているという証拠です!!
以上のことから、本企画の目的であった”電子ブックの利用促進”と”普段は読まない本との出会い”を実現できたのではないかと思います。これからも継続的に実施したいです♪
オンラインガチャサンプルコードの公開
これまで、「学芸本ガチャ!」について説明してきましたが、この企画を始めようと思ったきっかけは「電子ブックの利用促進」です。電子ブックの利用促進は、多くの図書館で課題となっています。紙の本とは違い、目に見えない本である電子ブックを広報するために、図書館職員は、知恵を絞り、様々な取り組みをしています。当館でも同じように悩み、たどり着いたのが、<ガチャガチャ × 電子ブック>つまり「オンラインガチャ」でした。
「オンラインガチャ」はHTML、CSS、JavaScriptというプログラミング言語を用いて作成しています。そしてありがたいことに、この取り組みを様々な形で発表する機会をいただきました。
E2627 – 学芸本ガチャ!:楽しみと共に本との出会いを届ける(2023年9月21日公開)
https://current.ndl.go.jp/e2627第32回京都図書館大会「デジタル社会と図書館~電子書籍サービスから考える~」(2023年11月20日開催)
https://www.library.pref.kyoto.jp/council/libconf/32/国立大学図書館協会システム委員会主催:電子ブック広報の事例共有会(2024年10月4日開催)
https://www.janul.jp/ja/projects/sisc/dx_henkaku/2024_ebook
発表させていただいた際に、多くの図書館の方から「自分のところでもやってみたいので、ぜひプログラミングコードを公開して欲しい!」というご要望をいただきました。プログラミングを専門とはしていない図書館職員が自作したものなので、公開することに後ろめたさというか恥ずかしさというものがあったのですが、多くのお声に背中を押され、この度サンプルコードを公開する運びとなりました!!温かい目でみていただけると嬉しいです…涙
できるだけ、プログラミングになじみがない方でも簡単に作れるようにコードを整理し、解説も付けました。ぜひ、それぞれの図書館独自の「オンラインガチャ」を作って電子ブックの利用促進に役立てていただけると嬉しいです。そして、もし「作ってみた!」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報いただけますと大変うれしいです!
2022年から実施している取り組みを、サンプルコード公開という機会にまとめてみました。企画を開始した当初はまさかここまで続くとはと思っていなかったので、とても嬉しいです^^ この企画は継続してこそだと思いますので、今後も色々なテーマを考えて実施できればなと思います!そして、「学芸本ガチャ!」だけではなく、様々な図書館で「○○本ガチャ!」が増えていくのを願って終わりたいと思います。この取り組みが同じ悩みを抱えている図書館さんへ届き、参考になればと嬉しいです♪(文責:よこ)
【これまでのMOL Report(抜粋)】
No.20 Library of the Year 2023優秀賞受賞
No.21 国立大学図書館協会賞を受賞しました!!
No.22 教育大学の図書館でできる、何か面白そうなこと
【Explayground URL】https://explayground.com/