『映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』感想(2013年4月20日記述)
※この記事は、過去に個人サイトのブログに掲載していたものを転載したものです。記述内容や感想は当時のものになります。ご了承ください。
※それと、『映画クレヨンしんちゃん』シリーズの『オトナ帝国』以降の数作品(当時のものまで)をわりと辛らつに評してますが、最近のはまたいい感じの作品が増えてると感じてますので、そのつもりでお読みください)
※途中からネタバレになります。ご注意ください。
●『映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』を観てきました。
そうそう、これ。これでいいんだよ。
いや、これがいいんだよ!!
『大人帝国』より前のクレしん映画が好きなヤツ、いいから騙されたと思って劇場に行け!
俺たちの大好きなアイツらが帰ってきたぞ!!
…以上が、今年のクレしんを観ての率直な感想です。
以下、『大人帝国』以降のクレしん映画が好きな方には面白くない内容が含まれますので、この先を読まれる方はその点ご理解の上、お願いします。
ちなみに今回の感想には、ネタバレ要素はあまりないと思います。
それでも「少しでもネタバレが嫌」という方はご遠慮ください。
ここ数年毎年劇場で観てますが、ほんとここんところは残念な出来が続きました。(あくまで私の主観です)
思うに、『大人帝国』と『戦国』で変に大人ウケしてしまって評価されてしまったため、感動作を作らなくてはというプレッシャーというか足枷にとらわれてたんじゃないかなぁと。
しかし今年はその辺の迷いがほとんど感じられない。
なんか久しぶりに大好きなクレしん映画が帰ってきたという感じがして、うれしくて仕方がなかったです。
実は今回も親子愛や友情みたいな要素も入ってるんですが、あくまで隠し味程度。基本はギャグとアクションで子供を面白がらせる「サービス」。当然のように劇場の子供もドッカンドッカン笑ってました。
私も『ブタのヒヅメ』のラストのブリブリざえもんの例のシーンとか、感動するシーンも好きなのがあるので、けして感動路線を否定するわけではないんですよ。
でも、やっぱり子供がクレヨンしんちゃんに求めてるのは、くだらないギャグや単純な面白さんなんですよ。
今回の映画館での子供のリアクションで確信しました。
そういやパンフレットの矢島さん(しんのすけ役の声優さん)のコメントで
「今年は叫ぶシーンが少なめで嬉しかった」
という部分が印象的でした。
最近は(というか『大人帝国』以降)しんちゃんが大声で「青年の主張」をするパターンが決まっちゃってましたが、しんちゃんの神髄は軽快なおちょくりだと思うんですよね。(あくまで個人の感想です)
つか、あの「青年の主張」パターン、どう考えても(いくらマセガキとはいえ)5歳児のキャパを超えてキャラが崩壊してるんで、個人的にはあんまり好きじゃないんですよ。
しんちゃんから「おっさんの脚本家」の姿が透けて見えるといいますか。
この辺もあくまで私の印象しかありませんが、『大人帝国』以降のクレしん映画は感動のインフレで迷走、『金矛の勇者』で一度原点回帰を図ろうとするが上手くいかず、以降も迷走を続ける、といった感じに受け止めています。
今回はなぜよかったんだろうと考えると、やはりまずは「無理な背伸びはやめた」ことにあるんじゃないかと。
感動路線のインフレを抑えたのもそうですが、お話も実にシンプルでわかりやすい。異世界にや外国に行ったりもいいんですが、凝った舞台や背景を、観客が退屈しないように説明するのも至難な技ですし。
あえてカスカベ防衛隊に焦点を絞ったのも正解でしょうね。今までの映画では酷いのになると、お話が凝りに凝ってる反動でキャラ描写がぞんざいになってしまったりってこともありましたので。
今回はひさびさカスカベ防衛隊の5人がそれぞれきちんと描かれててうれしかったです。みんなに見せ場がありますし。
特に今回は、マサオくんのキャラがいつもに増して掘り下げられていて面白かったなぁ。
シンプルといえば、そうそう、映画冒頭の「脚本:浦沢義雄・うえのきみこ」ですでにワクワクしてたのよね。
浦沢さんは外すときは大外しするけど、こと子供向けおバカアニメ・特撮では、ハマると大ブレイクするというイメージがありますし。
考えてみれば、浦沢さんってシンプルでおばかな(時にアメイジングな)脚本が得意なんだし、クレしんとすごく相性よさそうなのに、
参加するのは初めてなんですね。
ひょっとしたらこの浦沢さんの起用も、軌道修正のための劇薬投与なのかもしれませんw
お話以外の部分で言えば、ひさしぶりに『ヘンダーランド』とかでよく見られた、ジェットコースター的な引き込まれるアクションシーンもありました。こういうのこそ劇場で見る醍醐味じゃないかしら。
ぐりぐりとすごい勢いで動く動画の間の作画が実に自由で、最近の世界的な3Dアニメ映画全盛の流れの中、まだまだ2Dじゃなきゃこういう面白さは出せないよなぁと思わせられたのも、個人的にはうれしいところ。
それに今回はキャラの表情も実に生き生きしてて、いい芝居しています。
加えて、ほんと要所要所で小ネタをはさんできます。これはクレしん映画ではもともと当たり前だった気もするんですが、
今作のそれが妙に新鮮に感じたのを見ると、最近はそうではなかったのかもですね…。
しかしまあ、ここまで書くと、とびきりいい映画だったように感じられるかもしれませんが、けして不満がないわけじゃありませんよ。
ただ、今までがあまりにもコレジャナイ感満載でしたので、
ひさびさに見たかったものが見られたという満足感
が大きいですね。
以下余談。
しかし、あらためて劇場で見ると、ほんとクレしんの客層は「お父さんと男の子」が多いなぁ。
昔よりネタや表現がマイルドになったとはいえ、お母さんがたにはいまだに嫌われてるんだろうなぁw
そういえば、昨日の『オラと宇宙のプリンセス』のTV放送の時に、ツイッターである方とやりとりしてたんですが、いつのまにかしんちゃんがぞうさん出さなくなってるんですよね。今回の映画でも不自然に隠されてました。
クレしんはいまだに「子供に見せたくない作品」に名前が出てますが、長く続けてるとそれでいろいろとあきらめなければいけない部分も出てくるんでしょうかねぇ。
「真似されちゃ困る」というのはわからんでもなんですが、あまり健全過ぎるのもどうかと思うんですけどね~。
それこそ毒にも薬にもならないと言いますか。
声優ファン向けに付け加えると、
今回のオカマキャラは神谷浩史が熱演してるよ!
つか、クレしん映画にオカマキャラもじつは久しぶりじゃないかな? 神谷さん生き生きとオカマってましたw
他にも中村悠一とか大川透とか、私でも知ってる人が結構出てるなぁ。
最後にもうひとつ。今年のクレしん映画は腹が減るので、
空腹で行っては危険です。
私はうっかり昼抜いて行ったので酷い目にあいました。
食い物の上手そうなアニメは名作だよね!
※個人の(ry
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