映画『メリダとおそろしの森』感想(2012年08月08日記述)
※この記事は、過去に個人サイトのブログに掲載していたものを転載したものです。記述内容や感想は当時のものになります。ご了承ください。
『メリダとおそろしの森』に行ってきました。
見に行く前から、CMやトレーラーを見て「いつものPIXARに比べて画面のオーラがないなぁ」と思ってましたが、実際その通りの映画でした。
いや、描写力は素晴らしいんですが、「その描写力で何を描く」というのは別問題ですし。
背景のすばらしさに比べて、人物の惹きつける力が薄かったのが残念。
内容については、描かれているテーマには共感できるものの、そこへ観客の興味を持って行くまでの導入がまじめすぎると言いますか…。
はっきり言って、今までのPIXAR作品の中でもはっきりわかるくらい観客へのサービス精神がないです。
劇場の中で私は、親戚の法事に参加してる気分でした('A`)
場内の子供の反応もさんざんで、唯一笑いが起こったのがおっさんのケツのシーンだけだったという…。
子供はケツとか運子がだいすき!
今回も前情報をなるべく入れないようにしてたので詳しいことはわかりませんが、メインスタッフが今までの人からガラッと変わったんでしょうか?
「サービス精神の薄さ」は、ことスタッフロールに顕著に出ています。
PIXAR作品と言えば、スタッフロールの間も楽しませてくれるってのが信頼のブランドたる由縁だと思ってたんですが…。
まあ、ラスト10分くらいはなかなか面白いんですが、そこまで行くまでが長くて長くて。(実際はそんなに長い作品じゃないんですが。)
あ、相変わらず、おまけムービーはよかったなぁ。トイストーリーじゃない方のヤツ。
あと、細かいことを言うと、全体的なトーンは真面目なのに、大事なシーンをつまらないギャグでごまかすのは感心できませんな…。
…というわけで、私が劇場で見たPIXAR作品で、初めてパンフを買わずに帰った記念的作品と相成りました。
ちなみにバウスシアターでは13日で公開が終わるようです。まあそうなるわな…。
あ、そうそう。大事なことかき忘れた!
風景とか人の肌とか髪の毛とかの表現がカンペキなのに、
食べ物がぜんぜん美味そうじゃないんだよ!
地味だけど大事なところだよ!ハウルなんかお話適当でも、ベーコンが美味そうなだけでもいい映画観た気分になるしね!
『メリダ』に出てくる肉が、全部燻製みたいで脂っこさが感じられないんだよなぁ…。お菓子もパッサパサだし。
まあ、あれはあの時代のお菓子があんな感じだったと言われたらなんにも言えないけど…。
おなじPIXARでも、『レミーのおいしいレストラン』に出てきた食べ物がそれなりに美味しそうだっただけに、ちょっと疑問だなぁ。