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小説もいいけど、実用書の音読もおすすめ
「声を出して本を読むと脳が活性化する」という記事を読んだのがきっかけで始めた、毎朝10分程度の音読(脳も気になるお年頃)。
今では朝のウォーミングアップとして、すっかり定着。
せっかくなら、楽しんで読めるものをと最初に選んだのが、高田郁さんの『みをつくし料理帖』(ハルキ文庫、全10巻)。今まで何度も繰り返し読んできた時代小説。
目で読んでいたときも味わっていたと思っていたのに、それまで流して読んでいたのかと思うくらい、声を出して読むと、脳に文章が軽く刻印されるような感覚があって、ますます味わい深くなりました。
いち早く学校の教育の場で、タブレットやPCを採り入れ、紙の教科書を原則として廃止する試みをしてきたスウェーデン。10年以上の時を経て、児童の読解力が低下していることが疑問視され、デジタル教科書をやめて、紙の教科書に戻すことにしたそうです。(参考にしたサイトはこちら)
デジタルの画面はどこか素通りしていく感じ。「紙のテキストを読む」「手を動かして紙に書く」作業は、デジタル以上に脳に働きかける作用があるんじゃないかという実感は私にもあります。
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2023年4月16日から読み始めた『八朔の雪』から特別編の『花だより』まで全11巻を2024年9月11日に完走。1年以上かけて読み終えたときの充実感たら。
次は何の本をと考えたとき、小説は十分に楽しんだので小説以外の本を読んでみたくなった(もともと小説はほとんど読まないので)。
でも、今読みたい本を毎日声を出して少しずつ読んでいくのは時間がかかる。今読みたいものはもっと早く読みたい。
そこで、以前読んで、久しぶりに読み返したいと思っていた本を再読することに。この、「次はどの本を再読しようかな」と選ぶのがまた楽しい。
1冊目に選んだのは、森博嗣さんの『自由をつくる 自在に生きる』。
発見のある言葉がいくつもあって、付箋が林のようにたっている大好きな1冊。この選択はよかった。『みをつくし料理帖』を読んだときと同じで、改めて脳に軽く刻印されるような感覚が。
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その次選んだのは、橋本治さんの『ちゃんと話すための敬語の本』。
「こういうときにこういう敬語を使うんですよ」という表層的なマナー本ではなく、どんな風に敬語が成り立ってきたか、歴史にもどづいてわかりやすく書かれていた本。
初めて読んだときも面白いと思ったけれど、もう一度読み返したいと思いながら、20年近く経っていた!
改めて声に出して、毎日少しずつ読み進んでいくと、ややこしい敬語のことが頭の中でクリアに整理されていく感じ。
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今は小山龍介さんと山田真哉さんの『会計HACKS!』を読んでいます。
「朗読」というと「小説」というイメージがなんとなくあったけど、隙間時間に聴く「実用書」の需要もある昨今。
耳で聴くのもいいけれど、自分で声に出して実用書を読むのも、素通りせず身に付く感じがあって、いいですよ。
毎日、ちょっとの時間でも続けていけば、確実に読み終える(これは森博嗣さんの『自由をつくる 自在に生きる』にも通じていること)。
急ぎではないけど読み返しておきたい、内容をもう一度味わいたい、確認したい。そんな本を朝に声を出して読む、おすすめです。
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