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#59 小満 紅花栄(べにばなさかう)

このところ、草木が暴力的なほどの勢いで伸び育っている。

毎日濃くなる緑色を前にして、ちっぽけな人間のわたしは畏怖に似たものを感じながらただただ呆然と見ていることしかできない。

草取りをしてみても、それに何の意味があるのかわからないほど、今の植物たちには勢いがある。

先週施工をお願いする大工さんが来て、店舗改装とは別に母屋の方にぱぱーっとクローゼットを作ってくれた。

収納があまりない上に、家族分の荷物がどっさり転がり込んでいるので、引越し後も全く片付かなかったのです。

それがほんの1日半ほどで何もなかった壁に立派なクローゼットを出現させるんだから、すごい。

自分と同じ人間のはずなのになぁ、いったいどうすればそんなことができるのか……まるで魔法使いのようだった。


その大工さんと、もくめ書店の内装についても打ち合わせていて入り口や外壁などの細部をどうするか話し合っているんだけど、その際にいただいた一言。
でも俺が見た中でここは道志一だね。
こんないい物件なかなかないよ、(工事に)入るの楽しみだね、、、とのこと。

本当にたくさん見てきている大工さんからのこの言葉はすごく嬉しかったなぁ。
内装、外装が変わればだいぶ雰囲気も変わるかと思う。

それが今からわたしも楽しみです。

しかしその内装工事に入るには、以前からお話ししている村からの補助申請が通った後じゃなければならず、まだ申請すらできていないこの状況はいくらのんびり人間のわたしでもかなり焦る。

申請するためには詳細な見積もりが必要で、今それを出してもらっているところ。


なので、今は実務的なこと以外のお勉強的なことを毎日ちょこちょこしていて、
珈琲の淹れ方研究、紅茶の淹れ方研究、はたまた仕入れ業者の吟味など、、、

オンライン授業にも先週は2件参加しました。
NPO法人本の学校さん主催の「本そば ポッドキャスト休憩室」から書店員お悩み相談を拝聴。
書店員をやっていると細かいこと、人に聞くに聞けない仕事なのか仕事じゃないのかわからないようなことが山のように出てきます。
そんなお悩みに丁寧に答えてくださるこのコーナー、聞いてるだけでも非常に勉強になるし面白かった。
やはり物流に関しての質問や、人間関係接客関係の悩みが多かったように思う。

もう一つは「書店員のSNSの使い方講座」
こちらは今やビジネスとは切っても切れないツールとなったSNSと書店員はどう付き合っていくべきなのかという切り口で解説された講座で、本当に初歩の細かい部分から説明されていて大変勉強になりました。
Twitterだけじゃなく、インスタグラムやYouTube、tiktokなどもそれぞれの特徴や使い分け方など聞けてよかったなと思います。
tiktokよくわからなすぎていまだに手が出ないんだけど、とりあえず登録だけでもしてみようかと思った。


さて、そんなことをやっておりますが、それでも今けっこう時間がポッカリあいてしまって、もちろん他にもたくさんやらなきゃいけないことがあるので進めていくべきなんだけど、なんだかんだ様々なことが内装工事後とか、古物商許可が降りてからじゃないとできないことも多く、だがしかしそれらを開店前に一気にやらなきゃいけないって大丈夫・・・?なわけないって話になってる今です。

しかもおそらく1番大仕事になるはずの、商品の仕分け、値つけ作業は手つかずになっているので、6月後半、そしてオープン後もおそらく寝る間も惜しんでやらねばならないかと思います。

というわけで今寝れるうちに寝とこう、、、

今は子供たちと一緒に9時就寝。
そして朝の4時に起きて朝読書を楽しんでいたりします。

これがとてもいい時間。

窓から光が入ってだんだんと夜明けがくる。
空の色が変わっていくのを感じ、鳥の囀りを聞きながらの読書は五感が研ぎ澄まされて、受け取るべきものはすべて受け取れるような、そんな感覚があります。
おそらくは、庭にでて読書すればもっと感じられるのでしょうが、今はまだ朝はかなり冷えていて、パジャマで外に出ていく勇気がわたしにはない、、、。

でもそうやって朝読書していると、自分の心の中がしんとして、からっぽの状態でことばを受け取っていけるような気がして、とても好きです。


たくさんの本たちを見ながらつい思うのは、もくめ書店で最初に売れる本はどの本になるのかなぁということ。


売れなかったらどうしよう……ってことは考えない考えない。。


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もくめ書店〈酒井七海〉
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