[BGA Studio] Board Game Arenaでボードゲームを実装、公開するための最初の一歩
初めまして。ゲームマーケット2019秋で「イラストリー」というカードゲームを出展したモクバ堂です。
2020年4月頃からBoard Game Arena(BGA)で遊べるイラストリーを開発し始めて、8月頭にアルファテストの段階まで辿り着きました。そこで、これまでの作業内容を振り返りつつ、BGAでボードゲームを開発、公開するまでに必要な技術や知識についてまとめておこうと思い、記事を書き始めました。
もしかしたら、誰か他にも同じ道を辿ろうとする人がいるかもしれませんからね!
BGAでのボードゲーム開発の概要説明
何はともあれ、まずはBGAの開発環境についての概要を説明します。
開発は、通常のBGAサイトとアカウントでは行うことができません。BGA Studioという専用のサイトに、別途アカウントを登録して行います。まずは、開発用アカウントの登録を依頼するのがいいでしょう。
開発用アカウントは、同時に複数個発行されます。マルチプレイをテストする場合に利用できます。
BGAで公開されているゲームは、版元の許可をもらったゲームです。許可をもらわずに勝手に作りはじめることはできますが、公開するには版元の許可が必要です。許諾を得ているゲームの一覧は、BGA Studio上に公開されています。
また、版元の許可についても、無料でも遊べるゲーム(フリーゲーム)と、プレミアム会員でなければ選べないゲーム(プレミアムゲーム)で異なります。版元としては、従量課金になっているプレミアムゲームの方が、確実に売り上げが発生するから安心なんですよね…とはいえ、有名なゲームでもない限り、まずはゲームのことを知ってもらわなければ話にならない、というジレンマがあります。
BGAで遊んだことがある方ならお判りでしょうが、Webページ上でマウス(タッチ)操作だけで遊べるゲームでなければ、作るのは難しいです。複雑な操作や素早い動きを要するゲーム(スピード等)や、物理的な挙動が必要なアクションゲーム(ジェンガ等)は実現するのは困難でしょう。
BGAはWebサービスなので、プログラムや画像ファイルは手元のPCで作ってFTPサーバにアップロードし、BGA StudioのWebページ上で実行してテストを行います。BGAのフレームワーク上で動作するプログラムを書かなければならないため、PCで動かしてテストするのは現実的ではありません。
なお、BGA Studioの方針として、最新の資料は英語でのみ公開されています。半備忘録として、この記事を書いていますが、最新の情報とは限らないということをご了承ください。また、開発、テスト、コミュニケーションに使われる言語は英語です。
さて、BGAでの開発についての大雑把に説明しました。
版元とエンジニアとで、必要になる情報が変わってくるので、ここから先は各パートごとに分けて記事を書いていきます。