【読書感想】「未来のチーム」の作り方 藤村能光
《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方
「最も成功したオウンドメディア」が挑戦する次世代型チーム作りの秘訣。「新しい働き方」を追求する組織はいかにして「自由なのにヒットを生むチーム」になったのか?
「BOOK」データベースより
この本の概要
私が働いているのはサイボウズ株式会社という会社です。
グループウェアという情報共有ツールを作ってる会社なんですが、そのサイボウズには「サイボウズ式」というオウンドメディアがあります。
そのサイボウズ式の編集長をしているのが著者の藤村さん。
この本は、藤村さんが書いた次世代型チーム作りの本です。
職場にあったので借りて読みました。
(買ってなくてすみません…。買おうと思ってたの。でもサイン本を見つけてしまったんだもの…。)
内容は、社内の話やツールの活用法が多いので、社内の人間としては、「うんうん、そうだよね」っていう感じです。
なので、「新たな知識を得たぞ!」とか「これはすごい!」という感想というよりは、藤村さんってこういう方なのね〜という感じでした。
藤村さんを知る本みたいな。
(同じ社内だけど、ちょっとお話したことがある程度なので。)
上司が本を出すってイイね
読んでいちばん先に思ったのは
「式編集部のメンバーにとって、すごくいい本だよなぁ」ということでした。
上司の考えていることがこういうふうにオープンにまとめられて表現されているのはすごくいいな、と。
近くにいて気軽にざつだんしたりしてても、意外と上司の考えてることってわかんないもんだなぁと、この本を読んで思ったんですよね。
藤村さんは私の上司じゃないけど、藤村さんの過去とか読んでたら「意外と自分の上司の過去とか、仕事に対する思いとか、そこまで知らないよな〜」と思いまして。
「藤村さんはこういう考えだったのかー」
とか
「転職前にこんな苦労をしてたのかー」
とか
「こういう考えでマネージャーやってたんだなー」
とか
そういうのがこんな明確にわかるって、けっこう貴重なんじゃないかなぁと思います。
まぁうちは社長も本を何冊か出してるので、上司の考えはかなりわかりやすい環境だと思うんですが、マネージャーって社長より近い関係だしね。
近い関係の人ほど意外と何考えてるかわかってなかったりするじゃないですか。
「夫がこんなこと考えてたとは?!」
とか?
なんかそれにちかい感じ。
だからといって、マネージャーがみんな本を出せっていうのも違う話で。
なんかまぁ単純に、こういう形で上司が考えてることがわかるってのはいいもんだよな、と思いました。
意外とわからんもんだもんね、上司側の苦悩とか悩みって。
「リーダー」「マネージャー」への過度な期待
リーダーとかマネージャーって聞くと、どうしても「バリバリの成果を出してきたスゴイ人」とか「なんでもできる人」というふうに期待してしまうところがあると思うんですけど、なんかそれって無茶だよなぁと私は思っています。
いないじゃん、実際そんな人。
いないのに
「リーダーなのにこんなこともしてくれないなんて」
とか
「マネージャーなのにこんなこともできないの?」
とか、役職や役割を持った人に対して、とたんに自分とは別の種族になったかのように分断して考えてしまいがちだな~と思います。
私も若いころはそんな感じで
「なんでわかってくれないんですか?!」
とか
「こんなにしんどいのに気付いてくれないなんて!」
とマネージャーに噛みついたことがありました。
が、そのときのマネージャーから
「そういうの、僕も奥さんからよく言われるけど、言ってくれなきゃわかんないよ。あなたばっかり見てるわけじゃないんだし。」
と返されまして。
その返答は、なぜだか私のなかで「がつーーーーん」って感じに響きました。
そう、言わなきゃわかんないのよね。
私ばっかり見てるわけじゃないし。
その件があってからは、仕事上のコミュニケーションについても、付き合う相手に対しても、「察してほしい」という願望はなくなりました。
たしかに言わなきゃわからんのだ。
言いたいことがあるなら、伝わるように、わかってもらえるように、こちらが表現するしかないのだ。
そんな経験を経て。
今の私は「マネージャーも普通の人なんだよな」と思うようになりました。
失敗もすればいいと思うし、できなかったら「できない、わからない」でいいと思う。
ただ大事なのは、覚悟をもって働くことと、ある程度夢を語れるかと、メンバーがなんか言ってくれたときにちゃんと向き合えるか、っていうそこだけじゃないかしら。
(まぁ、実際、それがかなり難しいんだろうけど。)
「マネージャーと平社員」とか、「芸能人と一般人」とか、人を立場で分けて考えをするようになると、そこからは「相手を知ろう」っていういちばん大事な気持ちが省略されるようになってしまうように思います。
それってリーダーにとっても、部下にとっても不幸なことだな~と。
なので、お互いに期待しあってしんどくならないように、まずはお互いに期待を押し付け合わないような柔らかいお付き合いができるといいよね。
息苦しいじゃん、期待の押し付けあいって。
期待しちゃうと今のその人をちゃんとみなくなっちゃいそうじゃない?
未来のチームの作り方
社内にいる身として、藤村さんの書いてあることは、本当にそのとおり。
社内のリアルがわかる本だな~と思います。
「サイボウズって社内でメール使ってないっていうけどどういうコミュニケーションしてんの?」
と興味を持った方はぜひ、読んでみていただけるとよろしいかと。
今までって、「力」や「権力」でチームを作ることが多かったと思うし、これからもそれは続くと思うんだけど、それが嬉しくて楽しいチームの作り方かっていうとたぶん違うと思う。
「イヤなことでもやるべきだ」
「楽しいだけで仕事できない」
っていう考えもわかるし、そういうひと昔前の考え方が全部間違ってるとも思わない。
それはある部分で事実で、誰もやりたくないけどやらなければいけない仕事は現状の社会ではゼロではない。
むしろそういう仕事が半分以上だと思う。
でも、やっぱり世の中みんなが楽しくなくて、人の楽しさやワクワクの足を引っ張りながら、つらい顔して働くの、私はイヤだなぁと思う。
このやり方がホントに未来のチームの作り方なのかは正直わからない(笑)
うちより進んでる組織はたくさんあるし、うちの社内だってたくさん問題はある。
ただ、いいチームにしたいと思うとき、ここにはたくさんのヒントはあると思う。
で、小さい小さいなにかひとつでいいからいっこ試してみてもらえるといいな、と思う。
たぶん、社内のやりとりの最後に「\(^o^)/」をつけるだけでもいい。
そういうところからきっと楽しさはうまれるよ。