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原子力潜水艦、北へ(著:ジョン・ボール)【読書紹介も北に向かい、ついには南極に達した「進みすぎたか」】
アメリカは占領された!
そしてその占領軍は・・・・
ウラル山脈付近のスラブ民族の社会主義国とな。
ソ連じゃねーか!
いや、ソ連とははっきり名指ししない。
あくまでウラル付近のスラブ民族の国。
なのだ。
まあ、こういう類型はこれまでにもあった。
若き勇者たちとか。
レッド・ドーンとか。
敵にとっては領土だが。
俺たちにとってはホームだ。
アメリカを占領したファシズム国家とゲリラ戦を戦うアメリカの若者たち。
(同じ映画のリメイクが後者なんだけど)
モデルは、ドイツ軍によって占領されたフランスのレジスタンスだ。
しかし当作品は、アクション作品ではない。
ドイツ占領下のフランスがモデルなのは同じにしても、
どちらかというと、占領下の日常とか、
政治的駆け引きとかに主眼を置いている。
そしてタイトルのミサイル原潜マグサイサイ号の奪取に成功したレジスタンスは、その核戦力をもって、占領軍の撤退を要求する。
マグサイサイ号の圧倒的な核戦力があっても。
実際に核戦争をやることは望んでいない。
どこまでも占領軍を撤収させ、主権回復することが目的だ。
そこは履き違えない。
そんなレジスタンスたち、
引退した政治家を引きずり出して、
占領軍強硬派の将校と戦いながらも、
穏健派とも交渉していく。
敵も一枚岩ではなく、内部に数々の人間ドラマがある。
そういう話である。
なんとなく。
これに似てる。
相手が宇宙人になってるけど、
これと同じパターンという感じだ。
つまり、レジスタンスの物語なんだ。
敵はすべて敵だ、という単純明快主義ではなく、
敵の穏健派と交渉し、強硬派の影響力を落としていく。
そういう複雑な知的バトルをやらないといけない。
そして占領軍の無茶ぶりにモラルの力を試される。
試されているのは、占領軍も同じだが。
しかしドマイナー絶版本なので、
おそらく読まれる機会があるかどうか。
なんでこんなのを紹介しちまったのか。
でも、これでいいのだ。
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