黒百合(著:多島斗志之)【くっ、読書紹介させろっ】(ミステリ)
注意:もしかしたら感のいい人にはネタバレになるかもしれません。でもなるだけ隠す。
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日本のミステリです。叙述トリック系。
明確な答え合わせはありませんが、登場人物のセリフ等でそれとなく答えが分かるようにはなってます。
ちなみに私はわからず読後に「はぁ」となっていて、
あれこれ読み直したり調べたりして、ようやく気がつきました。
(オヨヨ泣)
ちょっとこれミステリ初級じゃない?
悲報、我、不合格なり。
こんなはずでは。
ヒントは
1、「まさか彼女とここで出会うとはね」のセリフ。この発言ができる理由を考えてください。
2、ある登場人物の足が悪いこと。足が悪い人物は誰なのか、思い出してください。
3、すべてはあるひとりの人物を指し示しているはずです。長い挿入部分は無駄ではありません。
まあ、わからなくても青春小説として読める作品ではあるのですが。
もやもやが。
舞台は戦後すぐですね。
進駐軍の専用車両がようやくなくなったというから、そんな時期です。
神戸です。グーグルマップで調べられます。(面影はないですが)
男の子二人が、一人の女の子と出会い仲良くなるという、
ボーイミーツガールの世界観を採用しています。
テンプレですね。甘酸っぱいですね。
本編は基本、最後まで青春の甘酸っぱい話が続きます。これはこれで。
途中、本編でも登場している人物の若き頃の話が、フラッシュバックしてきます。過去編です。
片や戦前のナチスドイツ、片や戦時中の大阪。
狭いようで広い世界ですね。
でも主舞台は戦後の田舎なので、スコープグラスのように狭い場所から覗き込んでいるような気がします。
重要なことはすべて本文の外側に書いてあるタイプですね。
タイトルの黒百合に関しても、直接的には答えが出てきません。
作中で黒百合という単語は出てきますが、誰を指しているかという明確な解答は最後まで出てきません。
そこは上のヒントから導き出してください。
そう、作中できちんと書かれてないことを、読者が自明の理解でたどり着いて、はじめて完成される作品なのです。
そうしてはじめて、あのいわれもない読後感を味わうことができます。
解説してくれる探偵役は出てきません。
読者のあなたが名探偵なのです。
(ミステリ初級なのかもしれませんが)
さあ。
賢明なあなたにはもう、答えがわかりましたね?
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