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15時間の核戦争(著:ウィリアム・プロクノー)【読書紹介にもタイムリミットが存在する。15時間以内に推敲を終えなければ「月曜が来てしまうんだ」】
過ぎし日々は常にうとし、80年代は核戦争マメ知識本がたくさん出ており、今の方がなんだったらヤバいような気がしますが、まあ今はあんまりそういうのが出回っている気がしません。
というわけで今はもう手に入りにくい絶版小説の紹介をまたしてみたいと思います。
私はこれで核戦争一般教養を学びましたね。
15時間の核戦争というタイトルは、
核戦争というのをコントロールできるのは、
せいぜい開戦から15時間までで、
それ以降はコントロール不能になってしまう。
後はもう自動反撃装置が全弾撃ち尽くすまで放置するしかない。
もちろん全弾撃ち尽くしたら放射能灰の多さで人類は滅亡する。
だからこそ15時間以内になんとか停戦に持ち込まないといけない。
という論文があるとかないとかで、そこから取ったタイトルになります。
視点は複数ある群像劇で、
1、唐突な核攻撃を受けての緊急離陸したB52パイロットクルーと、
2、首都ワシントンを脱出できなかったアメリカ大統領とその側近グループ。
3、さらに臨時大統領としてエアフォース1に乗り込んだタカ派の新大統領とその側近グループ。
以上の3つの視点に分かれています。
1980年代を舞台にした、アメリカとソ連の核戦争です。
ソ連のアメリカへの先制核攻撃から始まります。
しかしソ連書記長は先制攻撃してきたにも関わらず、停戦する気がまんまんです。
過激派とのバランスを取り損ね、開戦はするがすぐに停戦するという形で、政治的な危機を乗り切ろうとしているようです。
なので旧大統領と話し合って何とか停戦に持ち込もうとするのですが、
一方でタカ派の新大統領チームはあくまでソ連に勝つ戦争継続を考えています。
そんな中でB52のクルーは、敵地であるソ連上空へ進んでいくのですが・・・
ちなみに副パイは女性なので、男女の掛け合いがあります。
絶版小説なのでネタバレしますと、
結論として、とりあえず停戦に成功します。
生存エンドです。
この点は同じ終末SF、核戦争カテゴリでも、
「渚にて」「博士の異常な愛情」なんかとは違う展開になりますね。
私としては、そこらへんが気に入っています。
終末してもいいですけどね。
どちらかというと世の人々に考えさせるような、
社会派のストーリーになっています。
ただ一昔前の作品と違って映像化されたりということはありませんでした。
知られていない作品です。
私はこれをずいぶんと若いころに読みましたね。
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