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医龍-Team Medical Dragon-(原案:永井明*作画:乃木坂太郎)【マンガ感想文を読んだことは他言無用よ「へ。やっぱりそんなもん・・・な、なんだこりゃ(爆)」】
2002年から2011年まで連載されていた医療マンガ。
これを原作にドラマ化もされた。
医学の世界は日進月歩なので、内容はもはや古いと思うのだけど、
医療マンガとしてはドラマドリブンで面白かった。
読者が興奮するストーリーと言うのをよく理解していらっしゃる。
心臓外科の改革に取り次期教授候補の女医。
理想実現のために傭兵を雇う。
そいつが天才外科医、朝田だった。
だがこいつは天才なのはともかく、言うことを聞かねえ。
自由人なのだ。
悪い意味で自由人なのではない。
いちおう良い意味だ。
彼の何よりの快楽は、自らの技量によって患者を救うことである。
良いことに思えるだろう?
しかし患者を救うためなら、規律はおろか、法律すら守らない。
ヤバい外科医なのだ。
だがこの男、すべてを逆転させていく。
***
もちろん創作なんで、
劇中の技法とかは、他の誰かが作ったものである。
というかバチスタなんだが。
そう、「チームバチスタの栄光」でお馴染みのバチスタ手術。
心臓外科と言えば、一時期は必ずコレが出てくる。
バチスタも改良として、ただ単に縫い重ねるだけという技法が発明された。
筋肉が壊死した部分を切り取って縫い合わせる手法より成功率が高い。
当作品においては、朝田が思い付きで発明したことになってる。
(天才の面目躍如である)
ドラマは手術だけではなく、医局政治の部分にも熱い。
***
女医の理想実現のための最大の障害は、
現教授の爺なのだが、こいつが権力亡者なのだ。
そんでもって、朝田の旧友であり宿敵。
別の大学の教授もわざわざこの大学に来て教授選に参戦する。
面白いのはこいつらがすべて敵なのではなく、敵同士でも食い合うことだ。
宿敵と爺の戦いの場面にはこうある。
宿敵「俺はこいつがそれなりの良識を持った人間だと思っていた。なぜならこの文明社会で教授と呼ばれる地位にまで上り詰めたからだ」
「だが、違う。
こいつはただの蛮人だ。
知性を棍棒と同レベルの武器として扱う男なのだ」
「考えてみれば、朝田もまた蛮人だ。権力と患者の命。求めるものは違えど、それを達成する手段は極めて暴力的だ」
「俺はいったい何を欲している? 俺が自分の欲するところを知らなければこいつらには勝てない」
うひゃあ。
こりゃあ、イイゾ。
マンガでこういう洞察が発揮される場面は、
だいたいクライマックスに近い。
しかも主人公チームとあさっての場所で、
こんな熱いバトルがあるのかよ!
敵同士の戦いでも、重層的な心理描写を惜しまない。
もったいつけないぜ。
他にも救急救命部の野心的な教授、アメリカ帰りの天才教授など、
効果音ゴゴゴゴの連中がわんさか出るのだ。
もはや、範馬刃牙の世界観。
もちろん主人公チームではもっと熱いバトルが待っている。
↑ 最終は25巻。
医療と関係ない部分で魅かれてしまったけど、
こういうアツい展開が出てくる本作は、間違いなく読んでて面白い作品だ。
医療用語が分からなくてもついていけるし。
何回でもクライマックスが楽しめる。
そんなホットな展開が読者を待っているマンガ。
ただ医療技術は日進月歩なんで、
今の基準からすると、おや? と思う場面があるかもしれない。
そりゃしょうがない。
「ブラックジャックによろしく」でも、
とある医薬品の評価が、現在とはがらりと変わっている。
(フルオロウラシルのことだけど)
過去の特定の時代を対象にした作品ならば、
この手の矛盾はあって当然、
むしろ考証がしっかりしているということなのだが、
現代のいつか。という設定だと、ちょっとドッキリする。
まあ、医療関係者じゃないから気にしないもし。
医療関係者の方は、必ず最新の技術を参照してください。
わずか10年でも、違うところは怖いほど違います。
逆になってるとこもある。
やっぱり医療系は面白いよな。
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